猛暑列島 お買い得野菜 市場で調査
社会|
08/26 19:29
26日も東京都心で猛暑日となりました。野菜が軒並み高騰するなか、意外な理由で値段が落ち着いているものを見つけました。
■お買い得野菜
市場で調査
東京都心で9日連続の猛暑日となりました。渋谷には雨の日のように傘が広がります。26日は猛暑日の連続日数が過去最長に並んだほか、年間日数も過去最多タイとなり、うれしくない暑さの記録を連発しました。
そんな異例の暑さが直撃しているのが野菜の価格です。朝の東京・大田市場。青果の取り扱い規模日本一を誇り、ここで決まった価格は全国の指標にもなる「野菜価格の一丁目一番地」です。
青果の仲卸に密着し、市場で野菜価格の動向を調べてみました。
青果の仲卸
「大治」
本多諭社長
「トマト、キュウリなど『なり物』は結構高い。例年と比べると1ケースあたり1000円ぐらい高い。2、3割ぐらい高い」
トマトの価格はこの夏、平年より高いままですが、8月中旬からさらに上昇。現在は平年の1.4倍ほどの価格です。
キュウリも8月に入ってから急騰し、平年より60円高くなっています。
青果の仲卸
「大治」
本多諭社長
「30℃を超えてくると野菜もしんどくなってくる」
高騰していたのは夏野菜だけでなく…。
青果の仲卸
「大治」
本多諭社長
「『土もの』といわれる野菜。『ジャガイモ』『タマネギ』とか。実際、掘ってみたら『暑さ』と『干ばつ』。全体的に小玉傾向で収量が少ない」
収穫量が少ないことから、価格はさらに上昇する恐れがあるそうです。
野菜が軒並み高騰するなかで希望になるのは…。
青果の仲卸
「大治」
本多諭社長
「今、比較的、全体的に高値な中でも『小松菜』『キャベツ』は比較的、大丈夫かなと」
暑さに弱い「ホウレンソウ」を作っていた農家が暑さに強い「コマツナ」栽培に転換するケースが多く、価格も抑えられているそうです。
■「ボケナス」異例暑さで増加
この夏、野菜に一体何が起きているのか。夏野菜の代表選手、「ナス」栽培の現場を取材しました。
ナス農家
田所恭一さん
「このように、晴れている日がずっと続いているから虫が多くなって、こういうふうな虫食いが多い」
雨が少なく、実に害虫が付く被害が発生しています。
ナス農家
田所恭一さん
「中は全然、良い。これは虫が食べているからおいしいから買ってと言っても買わない。処分するしかない」
出荷前の選別作業では…。
ナス農家
田所恭一さん
「これは選果場に出せないけど、産直(直売所)とかいけるかなと」
一見違いは分かりませんが、黒いかごに仕分けるのは重さが足りないなどのいわゆる“規格外品”。ナスに限らず、猛暑や水不足などの影響で規格外野菜は増えていて、安く購入できるお店もあります。
ナス農家
田所恭一さん
「これがボケナス。水分が足りなくて、色がのらない」
水不足の影響で、外側の色が薄くなる「ボケナス」も規格外品。通常のナスと比べると色艶には差が。
ナス農家
田所恭一さん
「これは食べたら同じだけど、(選果場には)出せない」
一方で規格外にもならず、廃棄するしかないナスも。栽培の現場で願うことは…。
ナス農家
田所恭一さん
「雨が降ってくれれば、それ(廃棄)が少なくなっていい。水は必要」