函館・日本最古75年現役の観覧車 閉園危機乗り越え家族4世代で支えてきた遊園地
社会|
10/22 08:31
北海道函館市の遊園地に日本最古の観覧車がある。現役として動き続けて75年。そこには4世代で遊園地を支えてきた家族の物語があった。
■家族4世代で支えてきた遊園地
来園者(函館市民)
「人生初の遊園地です!」
札幌からの来園者
「楽しかった~!」
海と山に囲まれた街、北海道・函館。ここに長年愛されてきた遊園地「函館公園こどものくに」がある。1956年開園のここで地元の子どもたちは“遊園地デビュー”を飾ってきた。
園内にはどこか懐かしい子どもの向け遊具の数々。ほとんどの遊具が0歳から楽しむことができる。
そんな子どもたちの姿を見守っているのが、函館こどものくにジェネラルマネージャー・加藤大地さん(27)。
「子どもたちの笑顔が見られるのが、一番うれしいです」
現園長の父を支える次期5代目だ。高校時代、テニスでインターハイ優勝。プロを目指していたが、けがで夢を諦めた。しかしこの遊園地が新たな夢になったのだ。
加藤さん
「木製の馬は当初から同じ形、(同じ)木(のまま)なんですよ。俺もこれに乗ったんだよというような声が聞けた時はすごくうれしいです」
曾祖父の代から守ってきた遊具は今年で70年を超えるものも。日々、点検と修理が欠かせない。
なかでも大地さんが特に思い入れがあるのが、観覧車だ。
「先々代・先代がずっと守ってきてくれて、お客さんたちがずっと乗りに来てくれたから、今、75歳の観覧車がここにある。私の代では、それを絶対つぶしたくない」
1950年につくられた、現役で稼働する日本最古の観覧車。国の登録有形文化財にも指定されている。
■何度も経営の危機に
海が見える観覧車を目当てに、今では「こどものくに」に年間およそ20万人が訪れるというが、実は何度も経営の危機に直面していた。
函館公園こどものくに
園長
加藤健一さん(56)
「少子化で、ものすごく(景気の)落ち込みが激しく。お金も借りれないですし」
バブル崩壊による大不況、コロナ禍での営業停止。閉園の危機が何度もあったが、その都度必死に守り続けてきたという。その訳は?
代表
加藤健一さん
「とにかく子どもを喜ばせる。それが揺るがない信念です」
子どもたちの笑顔を守り続ける。多くの遊園地デビューを見守って来た加藤家には今年、特別な出来事が起きた。
大地さん夫婦に、長男・吏太くんが誕生したのだ。
「吏太が働き始めるころには100年が見えてきている?りっちゃん100年にしてくれるかい?」
大地さんは、19日に吏太くんを観覧車に乗せた。吏太くんの観覧車デビューだ。
来年で開園70年を迎える「函館公園こどものくに」。喜ぶ吏太くんを通して、大地さんは決意を新たにした。
加藤大地さん
「70年という歴史は私が頑張っただけじゃ作れない。たくさんの思い出と皆の頑張りでできていると思うので、今後100年に向けてたくさんの子どもたちの夢と思い出を残していけるように、今後も頑張っていきたいなって思います」
「(Q.家族で?)家族で頑張ります!」
妻・京加さん(28)
「頑張ります!」
加藤大地さん
「頑張りましょう!」
■家族で遊園地
守り続ける思い
長く愛されている「函館公園こどものくに」だが、コロナ禍には閉園の危機があったという。
ジェネラルマネージャーの加藤大地さんは「子どもたちが『20年後、40年後も、また来ます!』と言ってくれる。開園100周年目指して、長く愛されるようこの遊園地を守っていきたい」と話していた。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年10月21日放送分より)