参院選は“是正義務付き”で合憲 「一票の格差」めぐる訴訟 東京高裁
社会|
10/30 18:32
今年7月に行われた参院選の「一票の格差」は憲法違反だとして弁護士グループが選挙の無効を求めた裁判で、東京高裁は「合憲」との判断を示しました。
一票の格差が最大3.13倍だった7月の参院選は投票価値の平等に反して憲法違反だとして、弁護士グループが全国8カ所の高裁と6つの高裁支部に一斉に提訴しています。
このうち1都10県の選挙区を対象とした裁判で東京高裁は今月30日に選挙無効の訴えを退け、「違憲状態に至っていたかどうかを判断するには時期尚早と言わざるを得ない」として、参院選は合憲だったとの判断を示しました。
その一方、格差が最大3.03倍だった前回の参院選と比較して「看過しがたい拡大傾向が生じている」と指摘し、3年前に設置された参議院改革協議会が選挙制度の見直しについて「2028年に向けて結論を出す」と報告していることを踏まえ、「(格差是正の)デッドラインは2028年の参院選ということになろう」としました。
さらに「結論を先延ばしにするようなことがあれば違憲の判断も免れない」とも踏み込みました。
この判決について、原告側の升永英俊弁護士は「これは単なる違憲状態判決よりさらに迫力のある判決で、すさまじい判決だ」としました。
そのうえで「裁判所が国に『抜本的見直しをするように』とメッセージを送っていて、国会は次の裁判までに是正に向けて動いてほしい」と話しました。
選挙の違憲・無効判決は当選した国会議員の地位に正当性がないと裁判所が判断するもので、一票の格差を巡る一連の裁判では今月29日に名古屋高裁金沢支部が「違憲状態」との判断を示しています。





