妊婦はねられ死亡 禁錮3年求刑 夫「最愛の妻・娘を返せよ」
社会|
04/22 19:17
去年5月、妊娠9カ月の女性が車にはねられ死亡した事故。生まれてきた娘は脳に障害が残っていて、夫は娘も被害者ではないかと訴えています。行われた裁判で検察側の求刑は…。
■妊婦はね死亡事故
禁錮3年求刑
ほほに触れても頭をなでても目を開けません。
去年5月、愛知県一宮市で妊娠9カ月だった研谷沙也香さん(当時31)が車にはねられ死亡しました。
娘の日七未ちゃんは事故の直後、帝王切開で生まれましたが、酸素が脳に届かない時間が長く続き脳に重い障害が残りました。
沙也香さんの夫
研谷友太さん
「歩く瞬間を見たりかけ回ってる姿とか、そういうのはもう想像はできないんですけれども、ただ息をして眠ってる姿を見るだけでも、すべてを失った自分の中ではやっぱそれが生きる活力にもなるし」
事故を起こした児野尚子被告(50)は母親の沙也香さんに対する過失運転致死の罪で逮捕・起訴されましたが、日七未ちゃんの障害に対する罪は問われていません。
刑法上、胎児は人ではなく母体の一部とみなされるためです。
沙也香さんの夫
研谷友太さん
「起訴状見たときに一切(娘の)名前が入っていない。重度の障害を持って生まれた娘・日七未が被害者として扱われないのは到底受け入れられるものではない」
胎児も1人の被害者として認めてほしい。遺族は日七未ちゃんに対する過失運転致傷罪を問うよう検察に求め、署名活動を行いました。
これを受けて検察は補充捜査を行いましたが、胎児は母親の一部だとする刑法上の考え方に沿って過失運転致傷の罪の適用を見送りました。
ただ、訴因を変更しこれまで起訴内容に記載されていなかった「日七未ちゃんの名前・母胎内で受けた影響」などについて盛り込みました。
沙也香さんの夫
研谷友太さん
「あとは…訴因変更があり量刑判断にどれくらい影響するか」
■夫「最愛の妻・娘を返せよ」
22日に行われた論告求刑裁判で検察側は…。
検察側
「日七未さんは意思を持ち動くことができず、24時間看護が必要。幸せな将来を奪われた。被告は真に反省しているか疑問があり、事故の責任から逃げようとする態度」
検察側は日七未ちゃんについて触れたうえで、被告は「居眠りや意識喪失とは考えられない」などとして禁錮3年を求刑しました。
一方、弁護側は「寛大な処分」を求めています。
元検事
亀井正貴弁護士
「(一般的に)死亡事故の場合には求刑は1年6カ月~2年。訴因変更に基づき求刑を上げているのでは」
夫は裁判でこう訴えました。
沙也香さんの夫
研谷友太さん
「最愛の妻を返せよ。最愛の娘を返せよ。遺族の思いを考えてほしい」
また、裁判所に対し改めて訴因変更命令を出してほしいと訴えました。
ただ、過去には“胎児も被害者”と認めたケースもあります。
元検事
亀井正貴弁護士
「鹿児島地裁においては、同じように妊娠中の女性に対して交通事故を起こして女性を障害させて、その後、生まれた胎児から出生して生まれた子どもに障害が残った場合について、両名を被害者として扱った」
沙也香さんの夫
研谷友太さん
「言葉が出ない。量刑の判断があまりに甘いんじゃないか」
判決は6月18日に言い渡されます。





