エサ求め…地面ボコボコに これまで“未確認”東北北部にもイノシシ
社会|
05/28 19:21
餌(えさ)を求め地面の至るところを掘り返すなど、イノシシによる被害が相次いでいます。これまで生息が確認されていなかった東北北部でも、出没が増加していました。
■餌求め…地面ボコボコに
鹿角市立尾去沢小学校
浅水英夫校長
「このプールの手前の芝生。あとはこの緑の内側のところ、全部真っ黒になった」
整地されていたグラウンドがあちこちで荒らされ、地面がボコボコに。
設置されたカメラには、午後8時ごろ、2頭のイノシシが映し出されていました。
鹿角市立尾去沢小学校
浅水英夫校長
「めちゃくちゃ掘られてる状態で、当然人は入れない状況」
植物などのエサを求める際、イノシシは地面を掘り起こす習性があります。
鹿角市立尾去沢小学校
浅水英夫校長
「4月1日からもう毎日のように被害が広がっていってる状態で、それこそ15日のあたりがマックスだったかなと思う。ミミズやモグラを探しに来てるのかなと、そんな感じ」
被害があったのは、秋田県鹿角市にある小学校です。
児童の安全確保のため、現在も保護者に送迎を要請しています。
保護者
「(Q.イノシシの被害聞いたことあるか?)なかった。歩いている時に突然襲われたり、背後から来られたりすると、やっぱり気を付けようがない」
これまで音が鳴る機器で対策をしていましたが、被害を受け新たに電気柵も設置しました。
鹿角市立尾去沢小学校
浅水英夫校長
「去年の秋ごろも(イノシシが)少し出たと聞いていたが、そっちよりもクマのほうが大変だった。イノシシはあまりクローズアップされていなかった」
ただ、改めてイノシシの脅威を肌で感じたといいます。
鹿角市立尾去沢小学校
浅水英夫校長
「怖いなと。これが本当に人にぶつかってきたり、車にぶつかってきたりした時は、大きな被害が出るだろうなと。すごく不安を感じた」
今、東北北部には、新たな脅威としてイノシシへの不安が広がっています。
環境省の2003年度までの調査では青森県、秋田県、岩手県にイノシシは分布していませんでした。
しかし、最新の分布をみると東北北部にも生息域を広げているのです。
■世界遺産でもイノシシ被害
秋田と同様にイノシシの生息が確認されていなかった岩手県では、世界遺産にも被害が及んでいます。
平泉町中尊寺の境内では、先月、イノシシによって土が掘り返される被害に遭いました。
寺では侵入経路とみられる場所にネットを設置するなど対策を取り、その後、被害は出ていないということです。
暗闇の中でイノシシが掘り起こそうとしているのはジャガイモです。こうした農作物への被害も深刻化しています。
岩手県内では2011年度に初めてイノシシの被害が確認されました。2023年度には被害額はおよそ6000万円に。十数年の間に50倍以上になっていました。
岩手大学
山内貴義准教授
「イノシシはシカやクマと違って繁殖率が非常に高い。一度増え始めて農業被害が出始めるとブレーキが利かない」
東北北部で被害が拡大しています。一体なぜイノシシの生息域は広がっているのでしょうか。
岩手大学
山内貴義准教授
「イノシシの分布が広がっている原因の一つに温暖化がある。イノシシは蹄(ひづめ)を持っている動物なので雪にはどうしても弱い。雪がかなり積もってしまうと移動能力が遅くなって、狩猟でとられたり確率も高くなるし、外敵に襲われる可能性も高くなる。ただやはり温暖化で積雪量が減って春先の雪解けが早くなると、分布が広がりやすいというのはあります」
生息域の拡大を食い止めるには、捕獲していくしかないといいます。
しかし、ハンターの数が減少していることも課題となっています。





