辺野古沖事故「他人任せの連鎖が形成」同志社の安全配慮義務違反を指摘 調査委
社会|
08/01 11:31
女子高校生が亡くなった辺野古沖の転覆事故。明らかになったのは学校側のずさんな安全管理でした。
■「他人任せの連鎖が形成」
先月31日午後、学校側が依頼した調査委員会の会見。
特別調査委員会
渡辺徹委員長
「当委員会は、本件事故に至るまでの認定した事実関係を前提に、そのいずれの義務についても違反があったものと認定いたしました。学校法人同志社は、生徒に対する安全配慮義務違反の責任は免れない」
亡くなった、同志社国際高校2年生の武石知華さん。これが事故の前日、家族に送った沖縄での写真でした。
知華さんの母
「ともちゃん、ママきたよ。どこ、どこに引っかかっちゃってた」
沖縄から自宅へ知華さんを連れて帰る時の思いを、遺族はSNSにつづりました。
知華さんの父
「知華の名前が書かれている死体検案書、死亡届を直視できない。子を失った親は皆こんな思いをしてきたのか」
あの日、何が起きていたのか…。知華さんらを乗せた船が向かったのは、アメリカ軍普天間基地の移設工事が行われている名護市辺野古の沖合です。
今週、遺族が公開した事故当日の動画には、船長が生徒に説明する中で、波に大きく揺られる「平和丸」の姿が。この後、転覆事故は起きます。
調査委員会が指摘したのは、この研修プログラムを何度もやめるチャンスがあったにもかかわらず、それが見過ごされた点です。
事故の2年前に生徒らが抗議船に乗った時の映像。強い風の音と白い波が、その激しさを物語っています。その前年には、立ち入り制限区域の近くを通って、海上保安庁のゴムボートと並走するようなシーンも…。
これについて、先月31日の会見では…。
渡辺委員長
「参加生徒の感想文には、『ボートが思ったより小さく不安を感じた』『警備会社の船舶に離れるようアナウンスされ恐怖を感じた』等が記載されていたが、これらは次年度学年主任へは引き継がれませんでした」
さらに報告書で指摘されているのは、学校側がボートの大きさや形状、航路や安全性を現地で下見していなかったこと。教師の中には、安全面の確認を旅行会社がすべて担っているものと誤認している人もいました。
「他人任せの連鎖が形成される組織風土や、『不屈』の船長に対する盲目的な信頼が原因であったと指摘できます」
■遺族も知らなかった事実明らかに
これは、2隻が出航した辺野古漁港に設置された防犯カメラの映像です。事故が起きた日の午前10時半ごろ、救助された生徒を乗せ、漁港に戻ってくる警備艇の姿が見えます。
その後、警察官や救急隊員が生徒たちに駆け寄る緊迫した様子も…。生徒を引率していた教師は、体調悪化を理由に乗船していません。近くのテントで待機していて、駆け付けたのは、転覆事故が起きてから1時間以上が経った後でした。
今回の調査報告書では、遺族も知らなかった事実が明らかになりました。
「辺野古コース」が定員超過となり、別コースへの“変更”希望者を担当教師が募ったところ、知華さんを含む51人の生徒が提出しました。しかし知華さんは抽選に外れて、認められなかったということです。
報告書を受けて、遺族はこうコメントしています。
知華さんの両親
「知華が一度コース変更希望を出していたこと、そして抽選で外れて辺野古コースに残ることになったことを、私たちは、この報告書で初めて知りました。何度も止める機会があったのに、そのすべてが素通りされてきたこと。読み返すたびに、本当にやりきれない思いが募ります」
(2026年8月1日放送分より)







