「全国金魚すくい選手権大会」開催 30回目記念で達人集合 奈良・大和郡山市
社会|
08/25 16:04
奈良県大和郡山市で、30回目となる全国金魚すくい選手権大会が開催された。歴代チャンピオンが集結した熱き戦いに密着した。
■30回目記念で達人集合
24日、大和郡山市で行われた金魚すくいの全国大会。全国から、およそ1400人が集結。各部門で腕前を競った。
参加者
「やっぱり楽しいですよね」
「小さい子にもお年寄りの人にも教わる。その垣根がないところがすごく魅力」
実はこの大和郡山市、江戸時代から養殖を行っていた歴史があるため「金魚のまち」として知られている。
30回目を迎えた今回の記念大会では、特別な試合も組まれた。
「グランドチャンピオン大会2025」。2014年以降に行われた大会で、3位までに入った45人が参加するプライドをかけた熱き戦いだ。
この戦いに5回の優勝経験をひっさげて出場する「金魚すくいの達人」難波輝大さん(22)がいる。
難波さん
「(3分間で)40~50匹を目指したいけど最初は楽しんでいけたら」
難波さんは保育園の年長のころ、難波さんが屋台で金魚すくいをしたところ、父親が「他の子よりうまい!」と感じ、大和郡山市にある「金魚すくい道場」に住んでいた大阪から通うようになったという。
さらに、自宅のベランダでも飼い、金魚すくいの練習に励んだ。
すると、その実力が開花。小中学生の部では、小学2年・5年・6年、そして中学1年で優勝。2022年には一般の部でも優勝し、今ではその実績から全国の大会から招待選手として呼ばれるようになった。
■大会スタート
結果は?
大会前日、難波さんの姿は長年通っている「金魚すくい道場」にあった。
難波さん
「屋台だと大きいサイズをすくいたいと思うんですけど、大会だと逆です。1~2センチぐらいのサイズだけをすくい続けているのが基本になっている」
金魚すくいがきっかけで、お友達もできた。
三宅政太郎さん(21)
「追い込みすくいという技があって、輝大はそれがとても上手だったんです。その技で(輝大は)小学生の時も優勝していたので、僕も優勝できないし、教えてもらうしかないとなって」
迎えた「グランドチャンピオン大会」。
難波さん
「最近ちょっと表彰台に乗っていないので、優勝を狙う形でいこうかなとは思います」
会場アナウンス
「位置について、よーい、スタート」
テンポよく金魚をすくっていく難波さん。制限時間は3分。
残り時間1分30秒。すると、ここで緊急事態発生!なんと、和紙が張られたすくう道具・ポイに穴が開いてしまった。ただ、ここは百戦錬磨の難波さん。穴が開いてもどんどんと金魚をすくっていく。
会場アナウンス
「3,2.1、タイムアップ!おつかれさまでしたー」
果たして結果は?
会場アナウンス
「グランドチャンピオン大会、優勝は、46匹で下牧竜大さんです」
優勝は、去年とおととしと一般の部で優勝している下牧竜太さん(23)。歴代最高記録107匹を持つレジェンドだ。
下牧さん
「最初すくえないんですけど、だんだんすくえるようになってきて、匹数が増えていっぱいすくえると楽しいので、そこが一番の魅力」
難波さんの記録は26匹で、15位だった。
難波さん
「1年に1回しか味わえない雰囲気はやはりすごく楽しいし、自分がちゃんと選手として出る機会はそこまで多くないので、いわゆる最後の一番大きな大会その辺の緊張感はすごく楽しいです」
■大和郡山市
金魚すくいの魅力発信&人材育成
夏の風物詩の金魚すくいだが、コロナなどの影響で試練の時期もあったという。
大和郡山市では、金魚すくい大会が始まった1995年にはおよそ7200万匹の金魚が販売されていた。
以前は全国各地の団地で開催される夏祭りに多くの金魚が出荷されていたが、そうした夏祭りが減少したこともあり、2023年にはおよそ4300万匹まで販売量が落ち込んだ。
なかでも打撃となったのが、コロナの影響だ。全国で祭りなどが中止されたこともあり、廃業せざるを得ない業者もいたという。
それでも金魚すくいの魅力を発信するため、大和郡山市では人材の育成も行われている。
それが、金魚マイスター養成塾だ。2015年から開かれている塾で、金魚が好む餌(えさ)や水槽の設置、水換えの方法など「金魚の飼育方法」を学ぶことができる。
市が認定するマイスターになると、各地で行われるイベントで、こうした知識を広めるボランティア活動に携わることになるそうだ。
また、地元中学校の英語教師の協力のもと、金魚マイスターが英会話を学び、奈良県内のホテルなどで、外国人観光客に対して直接、金魚の魅力をアピールするといった海外に向けた取り組みも行われている。
大和郡山市長で、全国金魚すくい競技連盟の会長でもある上田清さんは「金魚を飼う文化を広げたい。そのために金魚すくいが終わったら、金魚の飼い方が書かれたチラシなどを添えて持ち帰ってもらっている」とすくったら終わりではなく、長く愛されるペットとしてほしいと語る。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年8月25日放送分より)