「全く知らない人」神戸女性刺殺 3年前にも…関係者語る“事件”
社会|
08/25 17:52
女性はなぜ殺害されたのか。逮捕された男が以前勤めていた会社の関係者が3年前の事件のことを覚えていました。
■「全く知らない人」なぜ狙われた?
事件3日前から、神戸で何をしていたのでしょうか。
神戸市のマンションで片山恵さん(24)が殺害された事件。殺害した疑いで逮捕されたのは、谷本将志容疑者(35)です。
17日から21日まで、勤務先で夏休みをとっていた谷本容疑者。休暇初日の17日から現場近くのホテルに宿泊。事件当日の20日も、宿泊予定だったことが分かりました。
ただ、実際は事件が起きた20日、宿泊せず東京方面へ向かったとみられます。
谷本容疑者が東京で勤めていた会社の代表
「(22日に)6時半を過ぎても出社してこないので、部屋を確認しに行って、音信不通で」
事件当日の詳細も分かってきました。
午後6時半ごろ、勤務先を出た被害者の片山さん。その後、神戸中央郵便局に立ち寄り、西元町駅へ。神戸三宮駅で降ります。スーパーに立ち寄り、午後7時20分ごろ帰宅。
谷本容疑者とみられる男の姿は、勤務先から複数の防犯カメラに映っていて、警察は50分以上にわたり後をつけていたとみて調べています。
また、捜査関係者によると、事件後、谷本容疑者が現場付近からタクシーを利用していたことも分かりました。
■3年前にも…関係者語る“事件”
気になるのは、3年前の事件です。
3年前、谷本容疑者は同じ神戸市中央区で20代女性のマンションに侵入。殺害しようとした疑いで逮捕されました。
その際、1時間ほど部屋に居座り、女性に好意を告げ、逃走したとみられます。
3年前の供述(当時の取材から)
「女性が帰ってくるのを待って、私もその時に家に入った。大声を出したので気が動転し、とっさに腕を首に巻き付けて締め付けたりしたかもしれません」
その後、傷害やストーカー行為などの罪で起訴され、執行猶予付きの有罪判決が出ていたことが分かりました。
当時勤めていた会社の関係者が事件のことを覚えていました。
当時谷本容疑者が勤めていた会社の関係者
「付きまとって今回と同じようにオートロックに入って行って、部屋に入って首絞めて、1時間告白したという内容。谷本は『女性は友達の知人で、2人の金銭トラブルの仲裁に入ったら大声を出された』『口をおさえただけで、首は絞めてない。部屋にも入っていない』と言っていた。本人も仕事辞めるということだったから、それ以上、質問もしなかった」
事件が起きたのが2022年の5月。谷本容疑者が書いたとみられる履歴書によると、谷本容疑者はその年に神戸の会社を退職。事件が起きた後、関西から関東にやってきたとみられ、5月に今の会社の面接を行っています。
谷本容疑者が東京で勤めていた会社の代表
「面接をしたが言葉遣いも丁寧で、関西なまりはあるがすごくいい態度。逮捕歴はあるかを聞いたところ、『逮捕歴はありません』という返答でした」
谷本容疑者の供述
「全く知らない人です」
警察は、2人に面識がなかった可能性があるとみて調べています。
警察庁の調べによると、2024年のストーカー事案の被害者と加害者の関係は、その多くが交際相手や知人など。ただ、9%ほどですが「面識なし」のケースもあります。
犯罪心理学者
東京未来大学
副学長
出口保行氏
「ストーカーの場合は、恋愛などの感情、人に対する感情が前に出てくる。今回の場合そういうことが対象ではなかった。女性を襲撃するということ自体が目的だったと思う。3年前の事件で得た『自分の快感』が非常に大きかったと想像するのは容易」