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「じゃじゃ馬ならし」(福岡県八女市)

放送内容

2025年05月04日

福岡県八女市柳瀬にある溝田和紙。
八女市は手漉き和紙の一大産地であり、その歴史は古く400年以上前に越前の僧・日源上人が、矢部川の地理や水質が製紙に適しているのを見て、加工術を伝授したと言われている。
この土地で溝田俊和さんは手漉き和紙職人として30年にわたり、八女の伝統的な和紙を生み出してきた。

八女地域の和紙に使用される原料は八女コウゾとも言われるカジノキである。
一般的な和紙の原料コウゾと比較して繊維の長い品種であることから強靭で丈夫な和紙ができ、伝統工芸品や文化財の修復紙として使用されている。
原料のカジノキは丈夫な和紙になる一方で、繊維の長さから均一な紙漉きをすることは難しく「八女の紙漉きはじゃじゃ馬ならし」と言われるほど。
「八女の紙を漉けるようになったらどの紙漉きもできる」と語る溝田さん。
均一に、狙った厚さに紙を漉けるようになるには10年以上かかるそうだ。
また、紙漉きの工程だけでなく、原料の選別や下準備、紙漉き後の乾燥など多様な技術が求められ、溝田和紙ではそのすべてを俊和さん一人でこなしている。

戦後1,800軒と興盛を誇った八女の紙漉きもいまでは6軒が残るばかり。
「無理に残そうとは思ってはいない。継いだ人たちが食べていけなかったら仕方ないから」と語る溝田さん。
今では海外へ和紙を知ってもらう活動や八女和紙の認知を広げる発信に力を注ぐ。
若い人に広まらなければ文化は残らないという考えから、和紙作りをやりたいと思った人が現れた時に、経済的にもやっていけるような環境づくりをすることが自分の役目だと語る。

そんな溝田さんが未来に残したい風景は八女市柳瀬地区の風景。
集落自体は狭い道が続くありふれた景色ですよと謙遜する溝田さん。
中でも、工房裏手から集落を見たときに田んぼ越しに柳瀬地区、奥に飛形山が見える風景が、空が広くて好きな景色とのこと。
一面に広がる麦畑がソワソワと金色に輝く季節は、まるで映画の1シーンのような景色になる。
今の時代、なかなか残らない景色だからこそ、残したいのだそうだ。

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溝田和紙

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