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2020年度の災害を振り返る 今教訓にすべきこと その1

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2021年04月07日

「KBCラジオ みんなで防災!」KBC防災解説委員の太田祐輔です。

百市なるみ です。
毎週この時間は、あなたの命を守る防災について考えていきます。

今日のテーマ「2020年度の災害を振り返る 今教訓にすべきこと その1」です。

防災教育が専門の九州大学の杉本めぐみ准教授に去年7月に発生した熊本県球磨川沿いの水害についてお話を聞きました。

この水害では熊本県で60人以上の方がなくなりました。
特に球磨村の千寿園という高齢者施設では懸命の救助活動が行われたにもかかわらず14人が犠牲になっています。

(杉本)コロナ禍での初めての水害だったという点でも大変注目すべき災害だったと思います。

何よりも特別養護老人ホームの千寿園で14人の方が亡くなってしまったこと、水害等の避難行動タイムラインを持っていたにも関わらず自治体がうまくその情報を出していたかということと、そして住民がそれを利用できたかどうかという点においても非常に大きな課題の残る水害でした。

さらに九州は地球の温暖化の最前線にいるということも明らかになりました。

当日はインド洋と東シナ海、南シナ海の海水温がそろって高くなり、大量の水蒸気を日本海に運んでくる大気の川が形成されてしまいました。
要するに、九州はいつでも今回のような大災害に襲われるという可能性があることが証明されてしまったのです。

「今までに一度もこんな大雨が降ったことがない」と言っている高齢の被災者の方がたくさんいましたが、今回のことは決して「例外」ではありません。

今後、自分の経験による教訓だけではなく、もっとさかのぼった古い記録などを利用しながら、災害時にどうやって自分たちの命を守るということを考えなくてはいけない時代になったのです。
今まで2階で助かっていた方々が3階以上の建物だけでは助からない時代に突入したということです。

例えば自分の自宅が2階建てだということは、別の場所に移るということを考えて複数のルートをたどって複数の避難先を確保しておくことが重要になります。

もし千寿園にエレベーターが複数台あったとしたら、1人の方を救出するのに4人がかりで運ぶ必要なかったわけです。
そういったハザードマップで危険とされるエリア内に、そういった高齢者施設や病院など災害弱者の施設を今後建てないということも大前提の上で、そういった方々をどう危険なエリアからにも事前に出しておくこと。そして、もし危険なエリアの中に住んでいるならば、複数台エレベーターをつけるとか、移動せずに済むような社会システムを構築する必要があります。

(太田)気象台の予想の限界ということも言われました。 こういった事態というのは今後も発生する可能性はあると考えたほうがいいですよね。

(杉本)その通りです。
やはり私たちは温暖化の最前線にいて、最先端の九州というとこにいるということを自覚して、今までの避難行動で助かっていた人たちが助からない時代になったということで、もっともっとレベルの高い情報だしていただくだけでなく自分たちがどうやって身を守らなければならないかということをもう一度家族で考え直して戦略をたてなおしていただきたいと思っています。

【今日のポイント】

(百市)九州は地球の温暖化の最前線にいるというこのフレーズが、福岡に住んでいる私にとってすごく突き刺さりました。
防災に対する意識や対策もこれまでの常識では防ぎきれないことがたくさんあるという意識を常に持って、アップデートしていくことが大切だと思います。

今日のテーマは「2020年度の災害を振り返る 今教訓にすべきこと その①
7月の熊本県球磨川沿いの水害を振り返りました

それでは今日のポイントを太田さんお願いします。

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