「森を育む角度」(佐賀県藤津郡太良町)
放送内容
2023年11月19日
町の面積の55%を森で占める太良町。
昔から林業が盛んで、現在は「多良岳200年の森」と名付けられたプロジェクトが進行中で、次の世代が安心・安全に過ごすことができる町を作るために、太良町森林組合を中心に、職人の方々が森の管理をしている。
林業に携わる坂口学さんは、撮影日、間伐の作業を私たちに見せてくれた。
間伐とは、密集した森の樹木を間引くことだ。例えば1ヘクタールの広さに100本の杉があったとすれば、本数こそ多いものの、その面積内に届く太陽光や雨、土の栄養素は少なくなる。
それゆえ間伐することで、本数が50本に減っても、将来的には太くて高い樹木が育つという作業だ。
だが、この間伐には非常に高い技術が求められる。
密集した木々の間に、倒木させるので、倒れる角度を正確に見極めないと、他の木に引っかかり、地面に倒れてこない。
それどころか、他の木も傷つけることになる。
だが、この道26年の坂口さんは、角度を定め、見事に倒木させた。
それはボーリングでストライクをとるような、そんな感覚を思い出させるほど爽快なものだった。
そんな坂口さんが未来に残したい風景は「多良岳山系」だ。
樹齢200年のスギやヒノキを育てることが目的の太良町森林組合。
それは持続維持が可能で、かつ地域に公益的な森を存続させるプロジェクトだ。
坂口さんは、そんな未来の森をイメージしながら、今日も木と共に仕事をする。
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