大阪・関西万博まで3カ月 チケット販売不振・建設遅れ… 課題山積
経済|
01/19 18:02
大阪・関西万博は開幕まで残り3カ月を切りました。パビリオンの建設やチケットの販売など、多くの課題が残されています。
■大阪・関西万博まで3カ月
19日朝、大阪に開業した「夢洲駅」。大阪・関西万博の会場に直接アクセスできる唯一の鉄道の駅です。
一番に切符を購入した人
「0001番です。きのうの午後7時半から並んでいた。関西人なので、大阪万博が楽しみ」
万博期間中、一日最大でおよそ13万人が利用する見込みです。
1970年以来、2度目の大阪開催。当時は「月の石」や「人間洗濯機」などが話題を呼び、戦後から復興した日本を世界にアピールしました。
今回は158の国と地域が参加。開幕まで3カ月を切り、石破総理が会場を視察しました。
石破総理
「(前回)月の石も並んで見ました。中学生の時に。ただの石でしたけど」
吉村知事
「月の石です。(今回は)火星の石」
石破総理
「2時間か3時間並んで、見たの1分」
日本館の目玉は、世界最大級の「火星の石」。日本の観測隊が南極で採取したものです。さらに「空飛ぶクルマ」など、未来の生活を垣間見ることができる技術も展示される予定です。
大阪・関西万博名誉会長
石破茂総理大臣
「一人ひとりが生きている実感を体感できる。そして、未来の日本に夢を持てる。必ず『もう1回来たい』という思いを大勢の人が持つだろうなと」
注目が集まる一方で、課題も…。
ポルトガル担当者
「万博の来場者目標に対して、チケットが全然売れていないじゃないか」
万博の運営に必要な費用は、およそ1160億円。その多くは入場チケットの売り上げで賄われます。
しかし、前売り券の目標販売数1400万枚に対して、今月15日の時点で半分あまりの販売にとどまっています。
大阪府
吉村洋文知事
「開幕前に1400万枚いくかというと、非常に高い目標だなと思っています」
チケットの課題は他にもあります。半世紀前の万博では各パビリオンに長蛇の列ができ、夏場の暑さに苦しむ人もいました。
今回は「並ばない万博」を目指し、事前予約制を導入。しかし、参加国から不満の声が…。
オランダ担当者
「チケットの購入方法が外国人から見て複雑です」
まず、万博のIDを登録しチケットを購入。その後、入場する日時を予約します。希望するパビリオンやイベントにも予約が必要ですが、抽選なので希望が通るかは分かりません。
石破茂総理大臣
「やってみたらうまくいかない人もいる。どうやったら簡単に買えたよという、実感を持ってもらえるかが大事。お役所仕事ではできないので、民間の発想を取り入れてやっていきたい」
参加国によるパビリオンの建設も遅れています。42の施設のうち、完了表明が出されたのはわずか3カ国です。
ケルケンツェス博覧会国際事務局長
「残念ながら万博はいつもこう。遅れがあるのが現実です。パビリオンは開幕までに間に合う。(前売り券は)目標の半分の売り上げですが、必ず伸びると確信しています」
未来への希望と現実の課題を抱え、大阪万博は開幕の時を迎えようとしています。