マグロ水揚げ80倍も 日本各地で豊漁 専門家驚き
経済|
06/12 19:36
水揚げ量がなんと80倍になっている所も。専門家も驚くマグロ豊漁の理由は。
■マグロ水揚げ80倍も
きゅっと締まった身のマグロは、白米と出会って一層、輝きます。
マグロの名産地、千葉の銚子で創業68年のおさかな料理店。遠方から訪れる客も多く、お昼どきは大忙しです。
漬け丼にたっぷりとのったマグロは、すぐそばにある市場から朝一番で仕入れたもの。一番人気のてんぷらが付いた定食にもマグロのお刺し身が。こちらも朝、市場から仕入れました。
茨城から家族旅行に来た人
「おいしい。なめらかで」
「メバチならしつこくない」
客も絶賛の銚子のマグロ。実は、今年は特に“食べ頃”なんです。
さかな料理みうら
三浦康博さん
「マグロも今年は順調に取れている」
実は今、銚子港でマグロが豊漁です。「キハダマグロ」は去年のおよそ11倍。「ビンチョウマグロ」はおよそ1.5倍取れているんです。
マグロを扱う鮮魚店を訪れると…。
かねまた水産
桐谷國男社長
「(Q.これは何?)メバチマグロの小さいやつ。銚子港メバチが多かった今年は。メバチも多いしキハダも多かった」
ねっとりとした食感が特長の「メバチマグロ」も豊漁。例年より2割ほど安いといいます。
桐谷國男社長
「これで1000円。筋と脂がちょっと足りないから安く売る」
並ぶとすぐに売れていきます。
メバチマグロを購入
「おいしいし安い。骨の間にある中落ちを夫が好きで、きのうおとといで2日連続で中落ちを食べた」
銚子の豊漁は、都内にも伝わっています。
訪れた客が次々と注文するのは、銚子で取れたキハダマグロのお刺し身。なんと一皿500円。ワンコインで提供しているんです。
常連客(60代)
「安いですね。この店めちゃくちゃ魚おいしいんですけど、こんな安くていいのって」
脂が少なく、さっぱりとした味わいが特長のキハダマグロ。この豊漁を受け、3日間限定でワンコイン提供を始めたそうです。
オトトダイニングボウ
廣瀬寿勝店主
「今年は特にマグロが多いので、マグロを使ってちょっとお安く出そうと」
マグロの豊漁は銚子のみならず、新潟の佐渡ではクロマグロがたくさん取れています。
網の中でしぶきをあげる巨体。マグロの中でも特に高級な「クロマグロ」が大漁です。
内海府漁業生産組合
本間信俊組合長
「(平年と比べると)計算上80倍ということになる。初めてですね」
佐渡では先月、およそ5万4400キロのクロマグロがあがりました。これは例年の80倍だといいます。
本間信俊組合長
「これだけ大きなマグロが群れをなして入るっていうのは、佐渡の漁師は誰もこういう経験はない。多くても200キロ前後のが5本とかの単位で。一気に50本も100本もということは経験がない」
4種のマグロが日本近海で一斉に豊漁となったことについて専門家は…。
国際水産資源研究所
井嶋浩貴主任研究員
「ここ近年ではなかなか聞いていないですね。特異的に集まっている」
4種が豊漁となった特定の条件を見つけることは難しいそう。ただ、キハダマグロについては、ある説が浮上です。
井嶋浩貴主任研究員
「今年は黒潮の大蛇行が終息する傾向がみられており、キハダが生息しやすい海域が形成され、特定の場所に集まっている可能性」