英プラごみオブジェに“津波流失品” 設置者が陳謝
国際|
04/17 17:55
ロンドンで展示されている海洋プラスチックごみから作られたオブジェに東日本大震災の津波で流された可能性のあるものが含まれているとして設置者が陳謝しました。
ロンドン東部のオフィス街のカナリーワーフに先週から展示されているクジラ型のオブジェは、アメリカのアーティストが環境問題に警鐘を鳴らす目的で制作しました。
ハワイのビーチで回収された約5トンの海洋プラスチックごみが使われているということです。
中には「石巻魚市場」や「久慈港」などと書かれた箱も含まれていて、これらについてSNS上で「東日本大震災の津波被害で流されたものではないか」という指摘が相次いでいます。
ロンドン市民
「(震災で)多くの命が失われたことを想起させるし、海の汚染には人為的なものもあれば、そうではないものもあることに注意を払うべきです」
指摘を受けてカナリーワーフの開発業者は14日、公式SNSで「一部は意図的に捨てられたものではなく、東日本大震災による壊滅的な津波の影響で流された可能性が高い」としたうえで、「すべてをごみや廃棄物と分類したことで不快な思いをさせてしまったことをおわび申し上げます」と陳謝しました。
一方、ANNの取材に応じたアーティスト側は「あくまで、いかに多くの量のプラスチックごみが海にあるのかを示すことが目的だった」と釈明しました。
オブジェ制作者
ジェーソン・クリモスキ氏
「もちろん津波の悲劇について知っていましたが、約15年後に4000マイル(約6400キロ)も離れた場所で災害ごみを見つけるとは思いませんでした。私たちにとっては非常に興味深いことですし、悲しくもあります。しかし海はつながっていて、時間が経ってもプラスチックが消えないということでもあります。私たちにとって重要なのは膨大な量のプラスチックが存在すること自体なのです。そして私たちは地球市民としてどのようにこの問題に対処していくか考える必要があります」
カナリーワーフの開発業者は今後、看板の解説文を書き換えるということです。