トランプ関税で取引先から値下げ要求… フランスの蒸留酒「カルバドス」生産者の苦悩
国際|
04/18 20:10
アメリカ・トランプ政権の関税政策はフランス・ノルマンディー地方で発祥し、500年の歴史があるブランデー「カルバドス」の生産者に打撃を与えています。
フランス北西部のノルマンディー地方では「世界三大ブランデー」の一つと称されるリンゴを使った蒸留酒「カルバドス」の製造が約500年前から受け継がれています。
1本のボトルを造るために約10キロのリンゴが使われます。
業界全体ではEU(ヨーロッパ連合)以外の輸出先の1位がアメリカです。
自社農園でリンゴの栽培から果汁を発酵させた「シードル」の醸造、そして蒸留まで、すべての工程を手掛ける製造会社「クリスチャン・ドルーアン」は、トランプ大統領の関税政策に翻弄(ほんろう)されています。
クリスチャン・ドルーアン
ギヨーム・ドルーアン社長
「(トランプ政権の)関税の引き上げが発表されると、少しでも影響を和らげようと、すぐに輸入業者から値下げを要求された。米国市場でもうけを失うことになった。当初、トランプ大統領は関税を200%にすると言っていましたが、その後、20%に変更し、さらにその後、10%に引き下げました。1、2カ月後は10%のままなのか、0%なのか、50%なのか、何も分からない」
蒸留所を訪れていたアメリカ人観光客は。
米
アラバマ州から
観光客
「関税のことは知っています。気に入らないけど、何が起きるか見るしかない。今あるもので我慢するしかない。他に選択肢がない」
ギヨームさんが最も心配しているのは、関税を巡る報復措置の連鎖で世界の経済が崩壊することです。
クリスチャン・ドルーアン
ギヨーム・ドルーアン社長
「私は世界経済の状況をとても心配している。すべての国が不況に陥れば、売り上げが20から30%減少することは目に見えている。重大な経済危機の時にはそうなるし、過去にもそういうことがあった。私たちのような企業にとっては、その方がはるかに心配だ」