PFAS汚染で日本人ら11人に拘禁刑 「欧州最大級のPFAS汚染」三菱商事の元子会社
国際|
06/27 19:06

イタリアで有機フッ素化合物「PFAS」を工場から流出させ、地下水などを広範囲に汚染したとして、三菱商事の子会社だった化学メーカーの元幹部ら11人に最高17年6カ月の拘禁刑が言い渡されました。
現地メディアなどによりますと、イタリアの裁判所は26日、三菱商事の子会社だった化学メーカー「ミテ二」の元幹部ら11人に2年8カ月から17年6カ月の拘禁刑を言い渡しました。
11人の中に三菱商事から出向していた日本人3人が含まれていて、2人が拘禁刑16年、1人は拘禁刑11年を宣告されました。
裁判所は三菱商事の責任も認め、被害を受けた市民らへの損害賠償を命じました。
また、有罪判決を受けた被告全員がイタリア環境省に約5700万ユーロ(約96億円)の損害賠償を命じられました。
ミテ二は健康への影響が指摘されるPFASを1960年代からベネト州の工場で製造していたとされます。
ミテ二は1996年から2009年まで三菱商事の子会社で、その後、2018年に経営破綻しました。
ベネト州は2013年にミテニの工場をPFASの主要な流出源と正式に報告し、2021年に刑事裁判が始まりました。
地元メディアは広範囲にわたって水質と土壌を汚染し、「35万人の市民に影響を及ぼした」「ヨーロッパ最大級のPFAS汚染」と報じています。
弁護側は「2013年までPFASが人体にとって有害であるという確かな科学的証拠はなかった」と主張していました。