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「僧侶キラー」の女逮捕 17億円超恐喝か

国際

08/01 19:24


 地元メディアが「僧侶キラー」と呼ぶ女。仏教の国タイで激震が走っています。
 ウィラワン・エムサワット容疑者(35)。SNSなどを使って10人以上の僧侶らと性的関係を持ち、多額の金を脅し取った疑いで逮捕されました。
 逮捕の瞬間を捉えた映像です。ウィラワン容疑者は、マスク姿で警察官の問い掛けにうなずいています。
 女の銀行口座には、過去3年間で3億8500万バーツ。日本円で17億円以上が送金されていました。
 「魔性の女」とも呼ばれていた容疑者、どのようにして僧侶たちから金を脅し取っていたのでしょうか。
 ウィラワン容疑者と男女関係にあったとみられる僧侶が言い争う様子が映った映像です。2人の近くにはベッドがあり、寝室とみられます。 ウィラワン容疑者 「私が悪いの?なんで?」 僧侶 「私が何を言っても信じない。あっちで寝ておけ」 ウィラワン容疑者 「私を追い出さないで」
 女は、性的な関係を隠し撮りして、相手に「公開する」と、現金を脅し取っていた疑いが。映像には、僧侶が壁際で思い悩むような姿も。 ウィラワン容疑者 「なんで私から逃げるの?」 僧侶 「私に死んでほしいのか?」 ウィラワン容疑者 「なぜ死ぬの?」 僧侶 「やってあげるよ」 ウィラワン容疑者 「ダメよ」
 国民の9割以上が仏教徒といわれるタイでは、社会的にも大きな影響が。
 歴史ある王室寺院として知られる、「ワット・パークナム」。アートのような天井画は、息をのむ美しさです。この寺院でも、女と関係を持った僧侶がいたとみられています。
 タイ国内の僧侶は、およそ25万人。タイでは僧侶は高い地位にあり、女性と性的関係を持つのは禁じられているといいます。 バンコク支局
 金井誠一郎支局長 「タイでは日本と比べて、僧侶の存在の大きさが全く違う、生活の溶け込み具合も違う。街中では多くの僧侶を見掛ける。例えば、電車内には僧侶の優先席がある。当然、タイ国民の信仰心もあつく、尊敬の対象になっている。一般の男性でも一時的に出家することも普通のこと。一方で、戒律も非常に厳格で、男性僧侶の場合、女性と触れ合うこともできず、結婚することもできない。立場のある僧侶が女性と関係を持っていたことでタイ国民の多くが大きなショックを受け、社会問題になっている」
 寺院を訪れた仏教徒の男性は、今回のスキャンダルについて…。 仏教徒の男性 「警察・軍隊・教師など、どの組織にも悪い人はいます。区別する能力が必要です。間違ったことをした僧侶たちは法律が対処すると思います」
 私たちは、ウィラワン容疑者と、ある僧侶が実際にやり取りしたSNSのメッセージを入手しました。容疑者の女からは、男女が抱き合うスタンプが送られています。 ウィラワン容疑者 「私がいなくなったら、あなたは寂しく思いますか?」 僧侶 「あなたの心には他に誰かいるのですか?」 ウィラワン容疑者 「いいえ。他の誰かを求めたことは一度もありません」 僧侶 「でも、私たちが一緒になる可能性が見えないんです」
 女からは、「会いたい」と書かれたスタンプが。
 すると僧侶が、長文のメッセージで悩みを打ち明けます。 僧侶 「あなたは私の一目ぼれの相手です。かつて私は一人で人生にもがきながら、いったい誰のために頑張っているのか、いつも自問していました。あなたは私の人生の光であり、孤独から私を導いてくれる存在です。もしあなたが私を愛していると言ってくれたら、もう空想の中で夢を見る必要はありません。私はあなたを絶対に手放しません」
 ウィラワン容疑者は、僧侶らからだまし取った金の大半をオンラインのギャンブルで使用し、現在、口座の残高は3万5000円ほどだといいます。
 だまされた人のなかには、寺の金銭を不正に入手して、その金を女に渡していた僧侶もいるとみられます。

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