習主席ベトナム訪問 米念頭に協力呼びかけ 中国の意向通りにはいかないとの指摘も
国際|
04/16 13:41
ベトナムを訪問した中国の習近平国家主席はアメリカを念頭に「ともにいじめに反対すべきだ」と協力を呼び掛けました。ただ専門家は、中国の意向通りにはいかないと指摘します。
習主席は14日、ベトナムのトー・ラム共産党書記長と会談し、「一方的ないじめにともに反対し、自由貿易システムとサプライチェーンの安定を維持すべきだ」とアメリカの「相互関税」を批判しました。
中国による迂回(うかい)輸出の経由地と指摘されているベトナムに対し、トランプ政権は46%の「相互関税」を発表していて、習主席はアメリカに対抗するよう協力を呼び掛けた形です。
ただ、ベトナム政府で経済の分析をしていた専門家は、ベトナムは投資を期待して中国に協力する姿勢を示す一方で、実際にはアメリカと対立することはないと指摘します。
ベトナム中央経済
管理研究所
レ・ダン・ドアン元所長
「政府の方針はすべての国と友好関係を築くことだ。どの国にも抗議はしない。ベトナムで生産されアメリカに輸出される製品と、政府は明確に区別しようとしている。ベトナムはアメリカに誤解されないよう努力している」
今回の会談で習主席からは、AI(人工知能)や半導体などハイテク分野について、ベトナムへの投資を拡大していく意向も示されました。
ベトナムの国営通信企業ではAIの研究・開発を進めていて、中国やアメリカから企業が進出する際には提携していきたいとしています。
国営通信企業「VNPT」
幹部
「ビッグデータやAIは無視できないトレンドだ。政府も技術開発を促進するため、多くの支援政策を打ち出している。ベトナムは農業と製造業に強みがあるが成長率は鈍化の兆しを見せている。テクノロジーはベトナム経済にとってビッグチャンスだ」
AIなどの最新技術を巡っても、ベトナムは米中両国との「バランス外交」が求められると専門家は強調します。
ベトナム中央経済
管理研究所
レ・ダン・ドアン元所長
「AIなどの分野では近隣諸国にやや後れをとっているので、政府は米中両国と緊密な関係を築きたい考えだ」