フランシスコ教皇が88歳で死去 前日まで復活祭のミサ 核廃絶や和解を世界で訴え
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04/21 21:21
ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が21日、亡くなりました。88歳でした。前日20日の復活祭のミサでは車椅子に乗って登場し、集まった信者らにメッセージを発信していました。
ローマ教皇庁の発表によりますと、フランシスコ教皇は21日、バチカンの自宅で亡くなりました。
気管支炎の疑いで2月14日に入院し、その後の検査で、両側の肺炎などと診断されました。
先月3日には2度、急性呼吸不全となりましたが、先月23日に退院していました。
死去前日の今月20日に、復活祭のミサがバチカンで行われた際にはサンピエトロ大聖堂のバルコニーに車椅子に乗って姿を見せ、広場に集まった信者らに短くあいさつしました。
大司教が代読する形で「すべてのイスラエル国民とパレスチナ国民の苦しみに心から寄り添いたい」と表明し、ガザ地区について「恐ろしい紛争が今も死と破壊をもたらし、劇的で嘆かわしい人道状況を引き起こしている」というメッセージも発信していました。
アルゼンチンで生まれたフランシスコ教皇は初の南米出身、イエズス会出身のローマ教皇でした。
2013年に就任し、2019年にはローマ教皇として38年ぶりに日本を訪問して広島と長崎を訪れ、「戦争のために原子力を使用することは犯罪以外の何ものでもない」と核兵器廃絶を訴えました。
また、ウクライナでの戦闘を終わらせるための対話を呼び掛けたり、2月にはアメリカのトランプ政権が進める不法移民の強制送還について「違法な滞在状態にあるという理由だけで、犯罪行為と同一視する考えには同意できない」と述べたりするなど、政治的な発言を積極的に行ってきました。
教皇の葬儀は今後、6日以内に執り行われ、20日以内にバチカンのサンピエトロ大聖堂に隣接するシスティーナ礼拝堂で新たな教皇を選ぶ「コンクラーベ」が始まる予定です。