ロシア極東の地震 津波に襲われた現地の被害 ハワイも警報で大混乱
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07/30 17:48
マグニチュード8.7の地震が発生したのは、日本時間の30日午前8時25分ごろ。震源はロシア・カムチャツカ半島の近くです。
ロシアメディアが報じた映像を見ると、サハリン州北クリル管区にある水産加工会社の工場が強力な波に襲われたと伝えています。映像からは、大きな白い物体などが波に流されているのが確認できます。
この場所だと思われる所をGoogle Earthで確認すると、青い建物の手前、水に覆われている所は本来、道路が通っていたとみられます。
画面の奥、防波堤がある辺りを捉えたドローンの映像もあります。濁って泡立った波が、建物すれすれの所まで迫っているように見えます。一部の建物は、半分ほどが水没しています。これもGoogle Earthと比べてみると、砂浜があった所は完全に水没。さらには、緑の陸地や道路があった所もやはり完全に水没しているようです。
サハリン州
リマレンコ知事
「住宅への深刻な被害はないとみられるが、いくつかは出ている。煙突が倒壊し、電力供給に支障も」
画材や文房具を売る店でしょうか。カムチャツカ半島にある商店の防犯カメラ映像です。建物への被害も出ています。壁が大きく崩落しているのは、幼稚園の建物だといいます。
非常事態部門の担当者
「幼稚園で外壁が崩落した。幸い中に子どもはおらず、けが人はいない。だが建物が損傷した」
カムチャツカ地方は日本より3時間進んでいるため、地震発生時は昼前でしたが、けが人はなかったということです。
カムチャツカ半島付近ではたびたび地震が起きていて、10日前にもマグニチュード7.4の地震が発生しています。なかでも、1952年にはマグニチュード9の地震が起き、太平洋沿岸の広い範囲に津波が到達しました。今月30日の地震は、1952年以来で最も強い地震です。
そして、その影響が及んだのは日本だけではありません。ハワイ・ホノルルのビーチです。海水浴を楽しむ人、サーフィンを楽しむ人の姿もありましたが、監視員の呼び掛けに応じて、次々と海からあがってきました。ハワイでも津波が到達する恐れがあるとして、一部地域に避難が呼び掛けられたのです。ただ、状況が飲み込めていない様子の人も。
ハワイ州ホノルル
ブランジアーディ市長
「こういう経験は多くないが、これは現実で深刻だ」
トランプ大統領もSNSを通じてこのように呼び掛けました。
「ハワイには津波警報、アラスカと本土の西海岸には津波注意報が出ている。日本にも来ている。強く、そして無事でいよう」
ホノルル市内には、避難を促すサイレンが鳴り響きました。ただ、海岸近くの道路では渋滞が発生してしまい、避難しようにも車が動かせない状態になっていました。
現地に住む日本人に話を聞きました。
ホノルル在住
Hayashi Mariさん
「多分、今また警報ですね。何かこういう感じで警報が…。渋滞は本当に今ひどくて、ワイキキの方から出ている人たちと帰ってきている人たちで両方の車線が全く動かない。さっき見たのだと1ブロックにつき移動に1.5時間かかるらしい。ハワイも島ですし、すごい狭い所なので波が来たら逃げる場所が皆、一点に集中するしかない。今、私いる所はイエローゾーンみたい。レッドではないけれどイエローゾーンで、洪水が来てもギリギリ平気な場所ぐらいですけれど」
ショッピングセンターに入っているお店も軒並み臨時休業です。
Hayashi Mariさん
「結構全部閉まっていて、今もう従業員が家に帰らないといけないということで、どこの店もスーパーもトロリーもやってない。本当全部シャットダウン状態」
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