強い寒気が再び流れ込み、気温が急降下した列島。関東は真冬に逆戻り。北日本では「冬の嵐」も…。 ■“3月並み”一転
　真冬に逆戻り
　午後になり、徐々に雪が強まってきました。関東も気温が急降下。過酷な極寒の現場がありました。
　15日、3月並みの暖かさとなり、半袖の人もいた東京・渋谷。一日で一気に真冬に逆戻りです。 街の人 「薄着できた。寒い。マフラーほしいなって」
　強い寒気が流れ込んだ日本列島。15日から一気に気温が下がり、東京・名古屋・大阪など、各地で一桁の気温となりました。
　まだ夜も明けきらない午前5時すぎ。豆腐店に明かりがともります。 杉本とうふ店
　杉本豊朗さん（79） 「にがりを入れて固めたところ。ラジオ体操が終わった人が豆腐（を買う）。豆乳が多い朝は」
　九段南で4代続く老舗豆腐店は、海軍司令官・東郷平八郎も愛した一品。最低気温2.6℃を記録した冷え込みのなか、冷たい水で丁寧に…。丁寧に豆腐を仕上げます。 杉本とうふ店
　杉本豊朗さん 「やっている時はそうでもないが、『領収書下さい』とか言われると手がかじかんで書けない」
　極寒のなかでの過酷な作業。店を継いでから60年余り。慣れるものなのでしょうか…。 杉本とうふ店
　杉本豊朗さん 「慣れですかね」 妻
　真由美さん（68） 「（Q.慣れましたか？）慣れない。冬は寒くて手が言うことを効かなくなる」
　こちらの店も水仕事は避けられません。 魚河岸 中與商店
　前里芳樹さん 「鮮度を保つため、氷がいっぱい入ってる」
　東京・武蔵小山にある鮮魚店。魚の鮮度を保つため、冷たい水や氷は欠かせません。 魚河岸 中與商店
　前里芳樹さん 「冷たい水が流れてくるので、冷えます。氷とか下にあるので、足元も冷たく手足が冷える」
　とはいえ、鮮度が命の鮮魚店。新鮮な魚を届けられる冬は歓迎です。 魚河岸 中與商店
　前里芳樹さん 「（寒さは）魚の鮮度を保ちやすい。そういった点はメリット」
　こちらも“寒さ歓迎”です。寒さで肉まんが人気となっています。 上海肉まん
　李岩さん 「きょうはいっぱい売れる。3倍くらい」 ■“極寒”で積雪急増
　落雪も
　かたや関東でも、積雪が深刻な地域もあります。群馬県みなかみ町。貴重な足でもある車もとても乗れる状況ではありません。 軽トラックの所有者 「冬は（車を）ほとんど使わない。慣れた人でも運転によほど気を付けないとスリップする」
　先週8日、まだ赤い屋根が見えていましたが…。16日はすっかり雪に覆われていました。積雪は40センチほど増え、150センチを超えました。
　落雪も相次ぎます。車道は水で融雪されるものの、歩道は除雪をせざるを得ません。 除雪する人 「（雪が）どんどん積もっていって、歩きづらくなる」
　そのみなかみ町より寒くなったのが…。群馬県・草津温泉。気温はマイナス7℃を下回り、底冷えのなか、甘酒や温泉が体に染みわたります。 甘酒を飲んでいる人 「一口飲んだだけで、温かいのがグーッと入っていくのが分かって、すごくファ～ッと熱くなるんです」 ソフトクリームを食べる人 「42度くらいの温泉があって、そこで体温まって今に至ります」 頼朝
　山口芳雄代表 「体の底から温まる甘酒とかよく売れています。意外に気温が低いので、地元の人間でも寒いなと思う」
　全国屈指の人気観光地だけあり、多くの人でにぎわう湯畑前。2021年新設された湯畑から徒歩5分ほどにある“裏草津”。ここなら、ゆっくり温泉情緒を味わえます。
　温泉の蒸気を顔に当てる「顔湯」で体だけでなく、顔も温まります。 東京から来た観光客 「（Q.顔を温めるのはどう？）防寒できないところなので、これがあると一時的に温かくなって、ほのかに温かいじんわり温かくなる感じ」 ■北日本“冬の嵐”自治体SOS
　北日本は、雪国の人も音を上げる状況です。 浜益温泉の職員 「1日、3から4回除雪したら皆クタクタになりますよね。それが何日も続くと勘弁して下さい状態」
　記録的な大雪となった青森。知事は総理に要望書を提出しました。行政からもSOSが出るほど状況は過酷です。 排雪業者
　内山真澄さん（53） 「去年に比べたら全然別格」 「（Q.どれくらい違う？）倍以上、違う」 「（Q.（今年の休みは）ここまで1日くらい？）ない。ゼロ」
　除雪された雪を雪捨て場の海に排雪する業者。雪捨て場をひっきりなしにこうしたトラックが訪れます。正月は返上。夜8時から朝5時過ぎまでの作業です。 排雪業者
　内山真澄さん 「（雪道は）神経は倍、使うね。きついね、眠いね。皆と一緒に寝る時眠りたいね」
　夜が明けると容赦なく雪は降り続き、除雪の終わりは見えません。 雪かき中の住民 「まさか、毎日こんな何時間も雪かきすると思わなかった。格段に多いんじゃないか」
　17日にかけ、北陸や北日本では大雪や吹雪となる見込みです。