クローゼットに女子高校生遺体 生存装う? 携帯で偽装工作か
社会|
04/02 18:43
自宅のクローゼットに女子高校生の遺体を遺棄した事件。「携帯が壊れて連絡できない」逮捕された男が事件を隠蔽(いんぺい)しようとした形跡も見えてきました。
■「ゲームで口論になり包丁で」
警察の車に乗り込むチェックのシャツを着た男。クローゼットの中に女子高校生の遺体を遺棄した疑いで逮捕された江口真先容疑者(21)です。
警察の調べに対し、女子高校生の殺害もほのめかしているといいます。
江口真先容疑者(捜査関係者の取材から)
「インターネットのゲームを巡って口論になり、包丁で刺した」
遺体が見つかったのは江口容疑者が両親と暮らしていた愛知県一宮市にある自宅です。
先月31日深夜、駆け付けた警察官が2階の部屋のクローゼットの中から東京・葛飾区の女子高校生・加藤和華さん(18)の遺体を見つけました。
司法解剖の結果、後頭部から背中にかけて刃物による多数の刺し傷と切り傷が確認されています。死因は出血性ショックでした。
捜査関係者によりますと、この家から凶器とみられる刃物が見つかっているということです。
加藤さんの中学時代の同級生
「身近な人がそんな事件に遭うとは思わなかったので、最初聞いた時は驚きすぎて言葉が出なかった」
江口容疑者が“隠蔽工作”をしていた可能性も浮上しています。
加藤さんが「ネットゲームで知り合った人と会いに行く」と母親に告げて家を出たのが先月28日のこと。
翌日の午後に連絡が途絶えたことから、家族から行方不明者届が出されていました。
その後、江口容疑者は加藤さんを装ったとみられるSNSアカウントを作成。
そこから加藤さんの知り合いに「携帯が壊れて連絡ができない」という主旨のメッセージを送っていたことが別の捜査関係者への取材から分かりました。
加藤さんの生存を装って事件を発覚しないようにする狙いがあったのでしょうか。
加藤さんの中学時代の同級生
「とにかく笑顔が多い人でした」
加藤さんの中学時代の同級生が印象に残っていたのは「笑顔」と「ゲーム」だったといいます。
加藤さんの中学時代の同級生
「とても優しい人だったし、ゲームをやっている途中の雰囲気も良くて楽しい人ですし、ゲームの話を良くしたが、その時もずっと楽しそうにしゃべって笑顔以外あまり見たことがない人」
■「夜中までゲーム」男の素顔は
一緒に夜中までゲームをすることもあったそうです。
加藤さんの中学時代の同級生
「普通に敵がいたら“そこに敵にいる”“何ダメージ与えた”ゲーム内の会話です」
「(Q.(加藤さんは)見ず知らずの人ともゲームを?)知らない人とやっていることも多かったので、あると思います」
会ったことがない人と協力や対戦ができるオンラインゲーム。メッセージのやり取りや会話ができるボイスチャットを通じて多くの人とつながることができます。
それを悪用され、犯罪に巻き込まれるケースも増えています。
警察庁によりますと、オンラインゲームを通じて犯罪に巻き込まれた17歳以下の子どもは去年1年間で98人。統計を取り始めた2019年から1.5倍になっています。
江口容疑者の供述から今回の事件にもオンラインゲームが深く関わっていることが分かります。
警察は事件に至るまでのいきさつを詳しく調べています。