GW後半 山開き前の富士山になぜ殺到?高騰のコメを“破格入手”できるイベントも
社会|
05/03 22:30
GWも後半戦、4連休初日は全国的にお天気にも恵まれ各地で混雑のピークに。そんな中、山開きはまだなのに外国人観光客でにぎわっているのが富士山です。一体なぜなんでしょうか?(5月3日OA「サタデーステーション」)
■GW後半4連休“混雑はピーク”
報告・水野正路ディレクター(3日
栃木・あしかがフラワーパーク)
「ライトアップされた藤の花を見ようと多くの人が集まっています」
午後7時を過ぎても、この混雑。3日、今季最多の4万人以上が訪れた栃木県の「あしかがフラワーパーク」樹齢160年を超える「藤の花」が満開を迎えていました。池に反射した“逆さ藤”はまさに絶景です。
千葉からの観光客
「ライトアップも思っていた以上にキレイで来て良かったなと思います」
混雑は、東京のバスタ新宿でも…
報告・鈴木闘匠ディレクター(3日・バスタ新宿)
「午後7時半すぎのバスタ新宿です。大きな荷物を持った人たちがたくさんいます。待合室の座席はほとんど埋まっている状況です」
電光掲示板を見ると、ほとんどの便が満席状態。
島根へ向かう観光客
「孫に会いに出雲まで行きます。(バスで片道)13時間です。寝てしまえばあっという間じゃないですか」
行楽地を空から覗いてみると…
報告・齋藤寿幸
「(東京ディズニーシー上空)ちょうどこの辺りが去年新しくできたエリアということです。人気のエリアということで、4時間にも及ぶ待ち時間になっているそうです」
「江の島も賑わっています。全然動けなそうですね。人が詰まっています」
「横浜市海の公園です。浜の方には潮干狩りに来た人たちのテントが無数に立てられています」
さらに、高速道路では…
報告・齋藤寿幸
「中央高速の八王子料金所です。下り線かなり混んでいますね」
高速道路の下りでは各地で渋滞が発生し、中央道の相模湖インターチェンジ付近では、31キロの渋滞となりました。
■登山者数“世界一”の高尾山
高温で“遭難”も注意
報告・齋藤寿幸
「高尾山山頂混雑しています。写真スポット前には行列ができています」
年間300万人が訪れ、世界一の登山者数を誇る高尾山。ゴールデンウィークは、最も混雑する時期の1つです。
報告・朝倉有香ディレクター
「午後1時半すぎの高尾山です。展望台には、景色を一目見ようと、たくさんの人が集まっています」
お店にも長い行列ができていました。高尾山の中腹まで行くことができるケーブルカーは、臨時便を出して対応。一方で、ケーブルカーを使わずに頂上を目指す人の姿も多くみられましたが、3日は夏日一歩手前となる暑さになりました。背中を汗で濡らした登山客の姿も…
東京からの登山客
「(ケーブルカーを使わずに)歩いてここまできました。もう最高ですね。暑いですけど…」
標高599メートルで気軽に楽しめるのも魅力の高尾山ですが、実は、遭難者は富士山よりも多いといいます。さらに、4日は3日よりも気温が上昇し、真夏日に迫る予想で熱中症にも注意が必要です。
高尾登山電鉄 荻原祐司駅長
「気軽に登れる山なんですけど、一旦上がってしまうと、救急車とか来るまで時間かかりますから、具合悪いのも早く治すのに時間かかってしまいますので、その辺は無理しないほうが良いなと思います」
■各地で夏日に
4日は大気不安定で雷雨に注意
福岡市で始まったのは、毎年200万人ほどの人が訪れる「博多どんたく港まつり」です。気温26度を超え、6日ぶりの夏日となる中、沿道につめかけた人たちが歌や踊りを楽しんでいました。同じく夏日となった鳥取。去年のゴールデンウィーク期間中は、およそ15万人が訪れたといい、3日の砂丘も多くの人が訪れました。遊び疲れてしまった子どもを背負っていた男性は…
Q結構汗かいていますね
「下からずっと登ってきたんで…暑い…」
3日に夏日を観測したのは120地点。しかし、2日に50ミリを超える今年一番の大雨が降った東京都心。関東や北日本では4日、再び不安定な天気となる予想で、レジャーや水の事故には注意が必要です。
■人気「田植え体験」高騰のコメを安く
一方、埼玉県加須市は…
報告・水野正路ディレクター
「子連れの方が続々と集まっています」
最近のコメの高騰に悩む家庭にとって、一石二鳥のイベントが行われました。始まったのは、コメ作り体験。「コシヒカリ」の苗を自分たちで植え、実ったコメは持ち帰ることができます。さいたま市から家族4人で参加した奥田さんは…
さいたま市から参加
奥田哲也さん
「一番は子どもの体験でしたけど、二番目にお米もとれるといいなって。今これだけ(コメの)値段が上がってくると申し込んでおいて良かったなって」
費用は1区画(約50平方メートル)あたり5000円で、秋には25キロのコメも収穫可能。5キロあたりおよそ1000円の計算になります。現在のコメの平均価格は5キロあたり4220円なので、なんと、4分の1ほどの値段でコメを入手できることになります。
加須市
北川辺総合支所
農政建設課
橋本和彦さん
「お米の値段で考えちゃうと、確かに破格なのかもしれないですけど、市としてはこの農業体験を皆さんに広く、という意味で事業にしている」
一方で、奥田さんたちは…
娘・悠乃ちゃん(5)
「やだ、着替えたい、着替えたい、着替えたい、やだ、着替えたい」
妻・愛さん
「ゆう!まだあるよ!」
息子・悠斗くん(9)
「パス!」
田植えから子どもたちが次々と離脱し、気付けば奥田さん一人に…
さいたま市から参加
奥田哲也さん
「まあ最初から予想ついていましたね」
田植えの後に奥田さんたちが向かったのは、河川敷の無料駐車場。ここでも、お得なイベントが開催されていました。田んぼからは2キロほどしか離れていませんが…
娘・悠乃ちゃん(5)
「大きい!すごーい!」
空を泳いでいたのは、全長100メートルの「ジャンボ鯉のぼり」。見学は無料です。
さいたま市から来た
奥田哲也さん
「ラーメンを2つお願いします」
店員
「1200円です」
昼食をとりながら、鯉のぼりを楽しみました。
さいたま市在住
奥田哲也さん
「ラーメンも手頃な値段だったのでありがたい」
しかし、娘の悠乃ちゃんがラーメンをこぼすアクシデントも…
さいたま市在住
奥田哲也さん
「こんなアクシデントあるだろうなと用意をしていても、右斜め上をいきますからね…コスパ的には良かったですけどね」
■カプセルホテルで1泊2万円超も
物価高のGW
一方、都内のカプセルホテルでは“前代未聞”の価格をつけていました。
ナインアワーズ
米本秀高ディレクター
「系列の店舗ですと、(1泊)2万円を超えている店舗もありまして、そこでも満室近い予約状況になっています」
カプセルホテルなのに、1泊2万3000円でも需要があるといいます。取材中にも…
ナインアワーズ
米本秀高ディレクター
「あっ、でも明日(3日)売り切れた!売り切れましたね」
1泊1万5000円の最後の1室にも予約が入り、426室が全て埋まりました。
報告・畑中彩里ディレクター
「チェックイン時間になりました。日本人の方だけでなく、外国人の方もいらっしゃいます」
大阪から来た大学生2人組は、千葉で行われる音楽フェスが目的だといいますが、1カ月前に予約したため、宿泊費は2泊で1人1万9200円です。
大阪から来た大学生
「他のホテルが空いてなくて、一番安かったからここを選びました。結局思ったより高くなってしまいましたね」
東京までは高速バスを使い、1人片道8800円。新幹線の6割程度に出費を抑えました。
大阪から来た大学生
「ちょっとでも安く抑えて、明日のフェス楽しめればなっていう感じ。カプセルなので騒げないし1人だし、そこは結構ネックなところですね」
■GWの富士山に殺到
ゲートに車列も
なぜ?
東京から車でおよそ2時間。
報告・富樫知之ディレクター(3日・山梨県内)
「富士山が見えてきました」
4月24日に、麓と5合目を結ぶ「富士スバルライン」が全線で開通したばかりの富士山。
報告・富樫知之ディレクター(3日・山梨側の吉田ルート4合目)
「ゲートが設置されて進めなくなっています」
5合目に続く道が路面凍結。安全を確認するため4合目の駐車場で通行止めになっていました。4合目の駐車場に観光バスが続々と停車。展望台は大混雑していました。
報告・富樫知之ディレクター(3日・山梨側の吉田ルート4合目)
「4合目の駐車場に入る車で大渋滞が起きています」
名古屋から車で来たというこちらの家族は6時間以上待っているといいます。
名古屋からの観光客
「神社があって、そこに御朱印とか色んなものがあってそれをもらうために来ました」
取材を続けていると…
名古屋からの観光客
「(ゲートが)開いた」
報告・富樫知之ディレクター(3日・山梨側の吉田ルート4合目)
「今、5合目に続くゲートが開きましたね。今ゲートが開きました」
午前10時、通行止めが解除。停止していた車が一斉に動き出します。取材班も5合目に向かいます。到着したのは、山梨側にある吉田ルート5合目。今年の山開きは7月1日で5合目より先は閉山しています。それでも多くの観光客で賑わっていました。6時間待たされた名古屋からの観光客は、5合目の人気スポット「冨士山小御嶽神社」に無事来ることができました。この神社は“天狗の神様”がまつられているといい、ここで御朱印をもらう外国人観光客が多いといいます。オーストラリアから来たというこちらの観光客に話を聞くと…
オーストラリアからの観光客
「この御朱印は大切にします。絵馬には一家の幸せと健康を願いました」
■静岡側では富士山を望む遊覧飛行が人気
そして、静岡側でも人気なのが…
報告・田中昌貴ディレクター(3日・富士山静岡空港)
「空港の搭乗口に続々と人が集まっています」
乗り込んだのは小型の飛行機。
機内のCA
「ちょうど富士山がみえてきました」
乗客
「すごいね」
お目当ては、空から見る富士山。上空から一望できる遊覧フライトツアー。
乗客
「見えない こっちか」
普段、あまり見られない絶景に席を移動して写真を撮る人まで…
乗客
「遊覧で富士山を見ながら撮れてよかったです」
今年、静岡側の山開きは7月10日ごろを予定していて入山料の徴収など新たな取り組みも始まります。