“火災現場”で現金ポケットに “ミスター火災犯”を逮捕
社会|
05/14 19:48
逮捕されたのは警視庁捜査1課の警部。火災の現場で現金を見つけて盗んだ疑いです。合わせて900万円を超える可能性も。
■“ミスター火災犯”を逮捕
元警視庁の刑事が憤る事件です。
元警視庁刑事
吉川祐二氏
「人の弱みにつけ込む本当に卑劣な犯行だと思う」
14日、警視庁捜査1課の警部・政野亮二容疑者(51)が逮捕されました。
政野容疑者は今年1月、江東区の火災現場から現金1000円を盗み、2022年には渋谷区の火災現場から現金およそ300万円を盗んだ疑いが持たれています。
政野容疑者は警視庁捜査1課の警部で火災犯の係長を務めていました。ある捜査関係者によると「ミスター火災犯」と呼ばれていたそうです。
元警視庁刑事
吉川祐二氏
「警部は管理職一歩手前、管理職といってもよい、責任ある立場の人。51歳で警部ということで、今一番動ける立場の人。それだけ数多くの臨場をこなしているということもいえる」
■“火災現場”で現金ポケットに
警視庁によると、政野容疑者は火災後の現場で「掘り起こし」と呼ばれる捜査を行う際に焼け跡などから現金を見つけ、ズボンのポケットに入れていました。
元警視庁刑事
吉川祐二氏
「火災が発生した時に消火活動を行うのは消防庁の仕事。その後、出火原因などを調べるために現場に入って、色んな品物を確認していく、それが掘り起こしというもの。掘り起こしの作業は警察も行うが、消防でも行う。(現場には)相当な人数がいたと思う」
盗んだ現金は自身の銀行口座に入金し、生活費などに使っていたとみられています。
今年1月に匿名の人物から警視庁に通報があり、任意で事情聴取を行ったところ、政野容疑者が認めたことから事件が発覚しました。
政野容疑者の供述
「お金がいくらあっても将来のことを考えると不安になる」
取り調べに対して、今回の事件を含めておよそ10件、合わせて900万円以上の現金を火災現場から盗んだという趣旨の話をしているということです。窃盗被害があったとみられる現場のほとんどが、一人暮らしで住人が死亡している火災だったといいます。
元警視庁刑事
吉川祐二氏
「窃盗の被害者となりうる家の人が亡くなっている死亡の火災である。発覚しづらい考えを持ったのでは。被害届が出るにしても、集まった親族の人たちによって、物が盗まれている、なくなっている、そこで発覚しても発覚まで相当時間がかかるといえる」
警視庁は「被害に遭われた方と都民、国民の皆様に深くおわびを申し上げるとともに、今後の捜査で明らかになった事実に基づき厳正に処分いたします」としています。