【戦後80年】「平和を祈り踊り続ける」 広島出身バレリーナの“決意”
社会|
06/28 12:59
今年は戦後80年です。日本バレエ界の第一人者として、70年以上も舞台に立ち続けるバレリーナには被爆2世としての“決意”がありました。
バレリーナ
森下洋子さん(76)
「原爆が落とされた真下で生まれた広島の人間ですから、やはり平和ということ。それをテーマに祈りを持ち続けていきたい」
昭和・平成・令和と日本のバレエ界を牽引(けんいん)してきた、バレリーナの森下洋子さん。
76歳になった今も、トウシューズを履き、主役として舞台に立っています。踊り続ける理由の1つに“ある決意”がありました。
80年前の8月6日、森下さんの祖母と母は、広島で被爆しました。
終戦から3年、広島市内で生まれた森下さんは、被爆2世です。
祖母は、爆心地のすぐ近くにいたため、体の半分に重い後遺症が残りました。
森下洋子さん
「手もくっついたままで。原爆病院で(指を)離してもらったけど、やっぱり使えないかなって言いながら、『でも親指は使えるわよね』って」
原爆病院でひどいやけどや痛みに苦しむ大勢の人を目の当たりにして感じたのは「こんなことがあってはならない」という“平和への決意”です。
森下洋子さん
「人々が自分ひとりではなく、多くの人々と愛することや助け合うことや、思いやることを考えていたら、核兵器は必要なくなると思う」
病気がちだった体を強くするために3歳から始めたバレエが、その決意を世界中に伝える“手段”となりました。
バレエを通して平和を伝えたい。戦後80年となった今も、そして、これからも。平和だからこそ成り立つ舞台で踊り続けます。
森下洋子さん
「戦争はあってはならないことなんです。平和になることを祈り、平和に絶対するという強い気持ちを持ち続けて、踊り続けていかなければいけないのではないかな。私自身、バレエを踊っている大きな使命のひとつだと思う」