「ゆっくりすべり」発生間隔が半減 南海トラフ地震の想定震源域で初観測 国土地理院
社会|
07/07 22:29

去年8月に日向灘を震源とする地震が発生する前に、震源域のプレート境界で「ゆっくりすべり」と呼ばれる現象が起きる間隔が短くなっていたと初めて明らかになりました。
去年8月8日、日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」が初めて発表されました。
国土地理院がこの地震が起きる前の地殻変動を分析した結果、震源域のプレート境界の深部では、プレート同士が時間をかけて動く「ゆっくりすべり」と呼ばれる現象が発生していたことが明らかになりました。
このエリアでは、おおむね2年おきに「ゆっくりすべり」が繰り返し発生してきたということです。
しかし、去年の地震が起きる前の「ゆっくりすべり」は前回の発生から約1年しか経過していませんでした。
「ゆっくりすべり」の発生する間隔が短くなった後に大きな地震が起きる現象はシミュレーションでは予想されていたものの、実際に観測された事例はほとんどないということです。
国土地理院は今回の成果について、地震の発生メカニズムの理解に貢献するとともに「ゆっくりすべり」の監視の重要性を示すものだとしています。