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一転して続投表明の伊東市長…強気の裏に“岩盤支持層”の指摘も

社会

08/02 22:30

学歴詐称疑惑で辞意を表明していた静岡県伊東市の田久保真紀市長が、一転、続投の意向を表明。「公約実現のため」としていますが、取材を進めると、その主張自体に疑問の声が…。(8月2日OA「サタデーステーション」) ■一転“続投表明”
 支援者も「複雑」 2日、サタデーステーションが訪ねたのは、静岡県伊東市のとある駐車場。 報告・水野正路ディレクター(静岡・伊東市 2日) 「こちらは市の新しい図書館が建設される予定だったのですが、田久保市長が就任してすぐに建設中止が決まりました」 田久保真紀伊東市長(7月31日) 「市民の皆様との大きなお約束、新図書館建設計画の中止。そして伊豆高原メガソーラー計画の白紙撤回という使命を私の全身全霊を傾けて実現してまいりたい」 7月31日、市長の続投を表明した田久保真紀市長。学歴詐称疑惑が発覚後、7月中に辞職をすると表明していましたが、翻した形です。一方で、田久保市長をよく知る関係者は、続投は想定内だと私たちの取材に答えました。 田久保市長をよく知る関係者 「やっぱり月末には辞めないだろうなと思ってた。続投っていうところはちょっと複雑な気持ちだよね。応援したい気持ちがないわけじゃないんだけど、どうしたらいいんだろうって」 「市民の声を無駄にしないように」と、公約実現の意欲を語っていた田久保市長。支持していた市民は… 田久保市長に投票した30代 「今までの感じを変えてくれるのかなと思って(票を)入れたんですけど、やり直しで選挙やって誰になるかわからないけど、その方に頑張って頂きたい」 田久保市長に投票した70代 「嘘の塊という感じで、我々投票した者からしたら裏切られた感じ」 人口約6万5000人の伊東市。高齢化率は44%とお年寄りが多い街です。主な産業は観光業ですが、お客さんの数は20年前と比べ50万人減少。課題は山積みです。 ■強気のワケは
 岩盤支持層の存在指摘も 約42億円かけ新たな図書館を建設するハコモノ行政にNOを突き付けることは市民から支持を得ました。 伊東市民 「そんなに図書館はいらないと思うけどね。そんなに本を読む人いるかな」 そして、もうひとつの主な公約。 報告・水野正路ディレクター(静岡・伊東市 2日) 「この山の奥の方にメガソーラーの建設計画があったということです」 伊豆高原の森を伐採し、太陽光パネルを敷き詰める事業計画を撤回させること。ただ、その工事は2019年から止まっていたと伊東市在住のジャーナリストは語ります。 伊東市在住のジャーナリスト 清義明氏 「メガソーラー問題っていうのは、もう伊東市ではほぼ決着がついていて。残っているのは法的な訴訟問題だけなので田久保さんが市長として何かをやると言ったって、あとはパフォーマンスぐらいしか残ってないです」 それでも、田久保市長が強気な姿勢を見せる背景にはある理由があるそうで… 伊東市在住のジャーナリスト 清義明氏 「(メガソーラー建設計画地周辺の)高齢者の比較的所得が高い人たちの間で彼女はやっぱりヒロイン。ジャンヌ・ダルク的な扱いをされている。『まきちゃんを応援しなきゃいけない』という岩盤的な支持層があるので強気になれる」 今回の騒動後、市民の生活にも影響が出始めています。市内で文房具店を営む太田さん。これまで学校や市役所などと取り引きしていたそうです。しかし… 太田商店 太田貴久社長(静岡・伊東市 2日) 「6月にやる予定だった入札も、まだずっと止まった状態で全く動いてないですし、各課をまわって『どういったものが必要ですか』とこちら側も提案・PRするんですけど、そういったものができない状態になっている」 市役所の職員との連絡もままならないと言います。実際、市役所には田久保市長が続投を表明した翌日、約1200件の電話やメールの問い合わせがあり業務が滞っていると言います。 太田商店 太田貴久社長(静岡・伊東市 2日) 「細かい打ち合わせをしたくてお電話をしても30分以上繋がらなかったり、この現状が長く続くことで僕らの商売もどうなっていくのかと、ちょっとこの先不安なのかなというのがあります」 ■今後の展開は?政治空白に懸念も 高島彩キャスター 「皆さん不安を感じているようですが、今後、市長を巡る動きどうなっていくのでしょうか」 板倉朋希アナ 「田久保市長が続投の意向を示したことで、議会からは不信任決議案が提出される可能性があります。この不信任案が可決されれば、市長は10日以内に議会を解散するか、議会を解散しない場合は自ら失職するということになります」 「議会を解散するとなると、40日以内に市議会議員選挙が行われます。新たな議会において2度目の不信任案が提出され、これが可決されれば失職することになりますし、議会を解散しない場合であっても50日以内に市長選という流れとなります。この一連のプロセスの中で40~50日間に及ぶ政治空白が生まれるおそれもありまして、市議選、市長選となれば相当額の税金が費やされることにもなります」 高島彩キャスター 「市役所の皆さんも業務が滞っているような状況でしたが、柳澤さんどうご覧になっていますか」 ジャーナリスト柳澤秀夫氏 「どんな立派な公約を掲げていても、信頼がなくなってしまったら前に進みませんからね。改めて信を問う以外に道はないんだと思います。ただ不信任案が可決されたとして、市長が辞めずに「議会が解散されたら困る」という議員もいると聞いてます。それを考えると議会の側も、このあと厳しい判断を迫られることになると思いますね」 高島彩キャスター 「市長の進退を巡る動きは市民生活にも大きな影響を与えていますから、問われているのは、信頼に根ざした政治のあり方ということを忘れないでいただきたいです」

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