東京「山の手空襲」から80年 戦争の悲惨さを語り継ぐ朗読会
社会|
05/23 09:29
太平洋戦争末期の1945年4月から5月にかけて東京の都心部が甚大な被害を受けた「山の手空襲」から80年を迎えます。東京・港区で22日、戦争体験記の朗読会が開かれました。
俳優・声優
矢田稔さん
「死のうと思い直し谷間を出た金城さんが見たものは全滅したはずの日本兵の姿だった」
俳優で声優の矢田稔さんは、14歳の時に豊島区で山の手空襲を経験しました。
矢田さんは、この空襲があった4月から5月の時期にあわせて、自身の空襲体験や戦争の恐ろしさを語り継ぐ朗読会を2006年から続けています。
矢田さん
「誰が好き好んで肉親を殺すのか。生き残ってしまう恐怖に追い込まれた私たちには死の選択肢しかなかった」
小学生
「(Q.きょうの話を聞いてどう思ったか)やっぱり戦争は怖くていけないことだなと改めて思いました」
「絶対に記憶から無くしていかずに、今度は自分が語り継いでいって次の世代の人たちにまたつないでいくような活動をしていくのが大事だと思いました」
矢田さんは戦時中に少年歌手として戦意高揚のための童謡を歌っていました。
矢田さん
「そういう政治的なことが何も分からない年代でありながら、言われる通りに戦争礼賛の映画も撮っていたし歌も歌っていたと言われるとね…。俺の責任じゃねえよって言いたい半面、やっていた事には違いないんでね。とにかく一人ひとりが戦争は嫌だと、戦争に協力しないということを貫く以外にしょうがないんだけども、そういうことすらできない世の中になっていってしまう。いくつまでやれるかどうか分かりませんが続けていこうと思っています」