年金「月7万円」に不安募る59歳女性「一生仕事を…」シニア世代も働く時代の現実
社会|
06/08 23:30
参議院での審議が続く年金改革法案。基礎年金の底上げが焦点になっています。いま実際に年金を受け取っている方、そして、これから受け取る世代の方いずれからも、不安の声が聞こえてきました。 ■年金底上げも…「シニア世代」不安 7日、都内の銀行で開かれた年金相談会。こちらの女性は、今年12月に65歳を迎え、年金を受け取れるようになりますが…。 (年金相談員)「(年金額は)月に直すと4万5500円ぐらい」 (64歳女性)「少ないかなと…今も貯金を切り崩している感じなので…」 夫と離婚し、今は息子と2人。老後のため、株式投資をしてきましたが、それも…。 (64歳女性)「最近ガクっと下がって、トランプさんのことがありまして、大損状態なんですけど。子どもにはお金の迷惑をかけないようにと思って投資していたので、厳しいですね」 ■「月7万円」迫る年金生活 不安も 59歳の女性も、心配なのは、将来、受け取れる年金額です。 (年金相談員)「(月の年金額は)7万円くらい」 (59歳女性)「もう一生、仕事しなきゃということは考えています。もうお米も買えませんよ。」 一人暮らしをしている、女性。 (59歳女性)「ちゃんと20歳の頃から納めていますので」 未納期間はないものの年金額は、月に7万円です。 今の広告デザインの仕事は、収入が安定せず、いつまで働き続けられるのか、老後への不安が募ります。 (59歳女性)「数字で言えば、それ(収入)はゼロの月もあります。若い頃なら平気で夜までやっていましたけれども、もう結構厳しくなってきています。病気になっちゃったりすれば、収入が途絶えてしまう。」 ■妻の介護で仕事辞め…「年金 足りない」 政府・与党が13日の成立をめざす年金改革法案には、働く高齢者の年金を減らされにくくする「在職老齢年金の見直し」も盛り込まれています。 現在は、賃金と厚生年金の合計が51万円を超えた場合、超えた分の半額が年金から減らされますが、これを62万円に引き上げることで高齢者の働き控えを緩和する狙いがあります。 西東京市のシルバー人材センターには、仕事を探す高齢者が集まっていました。 Q.年金での暮らしは? (男性(70))「そりゃあ楽じゃないですよ、だって他に収入がないんだもん。孫の小遣いになればいいなと思って」 (男性(70))「一応仕事、本業のほう持っているんだけど、本業やっても5年くらいだと思うのね、その先を見込むと、やっぱり今からこういう話聞いておかないとちょっとまずいかなと思った」 老後も働き続けることは、簡単ではありません。 Q.お2人はいま何歳くらいですか? (夫婦(75))「年齢同じです、同級生、75歳、75歳になりました」 去年まで夫は警備の仕事をしていましたが、要介護1になった妻の看病で辞めざるを得なくなりました。 (夫婦(75))「会社の方ではね『まだやってくれ』と言われたんですけど、ちょっとほら1人にしておくわけにいかないから、急遽辞めちゃったんですよ。(年金は)むしろ足りない、貯蓄を今まで貯めたのが、いくらか崩しているような感じ。いや、もうギリギリですよね」 ■月1~2万円の赤字 貯金取り崩し 月約17万円の年金で暮らしているという88歳の男性です。 (男性(88))「こんな状態でね、色々集めては(生前整理の)片づけをしているの。時にはね、不安になって、どうしよう、どうしようなんて思って、ここでもう10年、80歳で個人タクシー辞めたからね」 8年前まで個人タクシーの運転手をしていました。 (男性(88))「これは個人タクシーやっている時の、ゴルフの仲間の(写真)。」 事故を起こしてはいけないと80歳のときに免許を返納。収入は年金だけになりました。 (男性(88))「足りてない。だからね、今のところ他の仕事をやっていた時に貯めておいたあれ(貯金)があるからね。気持ちに余裕がある時はちょっと外に行って、何か食べたいものとかやれるし、ちょっとあれだなという時は、おにぎり1個で済ましちゃったりとかね、それはあるよ」 賃貸アパートで1人暮らしをしています。 (男性(88))「もうほとんど空っぽにしちゃって…」 約6万円の家賃や光熱費、食費や医療費などを払うと毎月1万円~2万円ほどの赤字です。足りない分は、貯金を取り崩しています。 (男性(88))「これから貯めてなんて、稼いでなんて、そういう年代じゃないんだから。人にとにかく迷惑かけないように、自分で納得できればそれでいいやと思ってる」 6月8日『有働Times』より