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「沖縄戦の歴史修正に憤り」 元学徒(98)世代超え伝えたいこと

社会

06/23 12:29


 沖縄戦では、日本軍の補助要員として14歳から19歳までの学徒が動員され、そのうち、1900人余りが命を落としました。元学徒が戦争を知らない世代に伝えたいこととは。
 今月18日、那覇市で執り行われた平和祈念祭。
 元学徒や関係者が参加し、犠牲となった学徒に黙祷(もくとう)を捧げて花を手向けました。 元学徒
 渡口彦信さん(98) 「戦争は、体験した者でなければ分かりません」
 こう話すのは、農林学校卒業前に18歳で徴兵された渡口彦信さんです。
 太平洋戦争末期、住民を巻き込み、日米双方で20万人余りが犠牲となった沖縄戦。
 沖縄の師範学校や旧制中等学校に通っていた14歳から19歳までの学徒たちが、日本軍の補助要員として動員されました。
 男子学徒は軍の物資運搬や破壊された橋の補修などを行い、女子学徒は陸軍病院や野戦病院などで看護活動にあたります。
 渡口さんは、負傷した戦友との別れをこのように語りました。 元学徒
 渡口彦信さん 「上官からの命令で(負傷をした友人に)手りゅう弾を渡した。自決用であることはお互いに理解できた。振り向くこともなく最後の別れとなった」
 動員された学徒のうち、1984人が命を落としました。
 10代の若者にとって悲惨な体験、沖縄戦の体験者が少なくなるなか、実相を伝えるひめゆりの塔の展示物を巡り先月、西田昌司参院議員が、「歴史の書き換え」などと発言したのです。
 元学徒たちは、沖縄戦の反省・教訓を語り継いできた学徒に対する「歴史的暴言」だと批判しました。 元学徒
 與座章健さん(96) 「沖縄戦の実相をゆがめたり、歴史の修正をもくろんだりする動きが後を絶たないことに、私たちは強く憤り、悲嘆にくれている」
 戦争を知らない世代に沖縄戦の実相と非戦の思いを伝えること、それが多くの学友を失った元学徒の思いです。

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