警察「DVが疑われる事案」と認識 川崎遺体遺棄事件
社会|
05/04 18:19
川崎市で女性の遺体が遺棄された事件で、警察がストーカー事案ではなく、元交際相手の男によるDV=ドメスティックバイオレンスが疑われる事案として認識していたことが分かりました。
■警察「DVが疑われる事案」と認識
容疑者の逮捕から一夜。死体遺棄の疑いで逮捕されたのは白井秀征容疑者(27)です。
亡くなった岡崎彩咲陽さん(20)は元交際相手でもある白井容疑者のストーカー行為に悩んでいました。しかし…。
捜査関係者によりますと、今回の事件について警察はストーカー事案ではなくDVが疑われる事案として認識していたといいます。
■警察の対応に不信感
家族は警察の対応に不信感を抱いていました。
岡崎彩咲陽さんの父
「事件性がないと言ったのはこの写真を見て言っている。ここの写真見て事件性はないと思いますか?」
この写真は、岡崎さんが身を寄せていた祖母の家のものです。行方が分からなくなった後に発見し、撮影されました。
友人によりますと、白井容疑者はこの祖母の家の周りをうろついていたこともあったといいます。
岡崎彩咲陽さんの父
「これ鍵が閉まっている。母が開けたままだと危ないと鍵を閉めたんです。この写真だけを見て最初から閉まっていたから事件性がないと思ったから、事件性がないと」
警察は“事件性はない”という説明はしていないとしています。
何かやれることがあったのではないか。父親の思いに応えるように警察署の前には岡崎さんの友人ら数十人が集まりました。
警察とのやりとりはSNSのライブ配信でも…。
SNSのライブ配信
「彩咲陽が浮かばれない」
岡崎彩咲陽さんの父
「(Q.どんな警察の対応を求める?)すべて本当の話をすればいいだけ。自分たちが悪いんだったら『どうもすみません』と1回謝れば済む」
ある捜査幹部は…。
捜査幹部
「『家の付近をうろついている』などの相談を受けて、ストーカー事案として対処できたのではないかと言われても仕方がない。その点については対応が適切だったのか、振り返る必要があるのではないか」
そもそも、2人の交際が始まったのは去年春ごろ。その後、関係が悪化すると、つきまとい行為などを受けるようになったそうです。
そして去年9月には暴行されたとして被害届を提出。しかしその後、岡崎さん本人から「事実と異なる説明をした」として、被害届を取り下げることになったといいます。
警察は岡崎さんの行方が分からなくなった後、白井容疑者に7回にわたり事情を聴いていましたが、「自分も心配で探している」「知らない」などと関連を否定していたといいます。
また、警察が自宅を任意で捜査した際には「そこはやめてくれ」と遺体のある部屋の捜索は拒んだといいます。
■容疑者「間違いありません」
白井容疑者は先月から海外に滞在していましたが、今月3日に帰国しました。
まず、白井容疑者はトイレへ。出てきたのはその1分後。そこへ捜査員が駆け寄ります。
白井容疑者は電話を掛けているのでしょうか。捜査員が囲みます。
白井容疑者は岡崎さんの遺体を自宅に遺棄したことについて「間違いありません」と容疑を認めています。
警察は、岡崎さんの死亡に関与した可能性を視野に調べを進めています。