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「キセキの第九」~佐渡裕と育徳館管弦楽部の6年~

12月31日(火)午前7:30~9:00

番組概要

2018年5月、世界的指揮者・佐渡裕は九州ツアーの合間に招かれたイベントに参加するため、福岡県行橋市を訪れた。その際、地元の福岡県立育徳館中学・高校管弦楽部による歓迎演奏をきっかけに、佐渡氏はベートーヴェンの超大作、交響曲第9番、いわゆる「第九」を2020年の春に育徳館と演奏することとなった。
タイトルは「奇跡のコンサート」。出会った奇跡と奇跡を起こすという意味を込めてのタイトルだ。マエストロはなぜ、この演奏会を受け入れたのだろうか。

ところが演奏会は、コロナ禍が立ち塞がり、直前で延期となった。翌年、演奏会は開かれたが、コロナ禍で合唱ができないという理由で別の曲に差し替えられた。
学生の宿命で、本来、演奏するはずだった最上級生の高校3年生は既に卒業していた。計画が再度、動きだしたのはコロナの感染症分類が5類になった2023年の秋で、「第九」の演奏会は2024年7月に決まった。

番組は「第九」演奏までの6年間の道のりに完全密着。佐渡裕氏と育徳館管弦学部の交流の様子、佐渡氏と部員たちの演奏会にかける思い、佐渡氏と部員たちの狭間で奮闘する顧問の教師の思い、第九を演奏できなかった管弦楽部OBたちの思いなど第九の演奏にかけた様々な人々の生き様に迫る。

マエストロ佐渡と育徳館の奇跡の出会い
そして、約束

オーストリア・ウィーン~東京~兵庫県・西宮を活動拠点として、世界を駆け巡るマエストロ佐渡裕のスケジュールを確保するのは想像を絶する難しさがある。佐渡の予定はいつも3年先までほぼ埋まっている。その佐渡が福岡県の一学校、育徳館中高との演奏会を行うことを決めたのはなぜだろうか?育徳館の生徒たちは、マエストロ佐渡との交流を通じて何を考え、何を得たのか?演奏会は、新型コロナの影響で、中止が検討されたが、1年の延期の末、開催はなんとか実現。番組ではマエストロ佐渡と育徳館管弦楽部の「約束」を描いた。

コンサートの様子

しかし、本当の約束は『第九』の演奏

マエストロ佐渡と育徳館管弦楽部が出会った6年前、最初に交わした約束は、世界中の誰もが愛する名曲であり、難曲の「ベートーベン交響曲第9番『合唱付き』」の演奏だった。チャイコフスキーの演奏も決して容易ではないが、コロナ禍に伴う飛沫感染対策の一環として、合唱を行うことができないことを踏まえての代替であった。

マエストロ佐渡と育徳館管弦楽部の打ち合わせの様子

マエストロはなぜ演奏会を提案したのか?

マエストロ佐渡裕と育徳館の出会いは2018年5月。佐渡は、九州ツアーの合間に開かれた対談イベントに参加するため、福岡県行橋市を訪れた。その際、地元の育徳館中高管弦楽部が、佐渡をブラームスの交響曲第1番のウェルカム演奏で迎えた。重厚で長大なブラームス交響曲。演奏時間は実に45分。想像もしていなかった生徒たちの真摯な演奏のもてなしとキラキラと輝いた眼差しに驚き、心を揺さぶられた佐渡は、その場で早速、生徒たちの指導を始めてしまう。

これを機に佐渡は、演奏会の開催を提案する。ところが、生徒たちは、「ベートーベン第九」の演奏を逆に提案した。超大作の提案にのけぞるほど驚いた佐渡は、3つの条件を付けてそれを受け入れた。

◆3つの条件とは
1. ティーンエイジャーが地域に音楽の喜びを伝える。
2. ティーンエイジャーが地域を活性化する。
3. ティーンエイジャーが世の中を動かすことを示す。

練習するマエストロ佐渡裕と育徳館

真の意味での『約束』を果たす時
独占密着の6年間の記録

今回、育徳館管弦楽部に加えて、コロナ禍で佐渡との共演が叶わなかった6人のOB楽団員と260人に及ぶ地元の人たち中心に構成する合唱団、更にプロのソリスト4人が演奏会に臨んだ。育徳館管弦楽部の練習は、2023年暮れから本格化した。しかし、大作「第九」の演奏は、無論、簡単なことではない。生徒たちはただならぬ苦闘の日々を過ごしてきた。番組では、佐渡裕の決意の意味、育徳館管弦楽部と佐渡のみずみずしい交流の様子、管弦楽部を率いる部長や実行委員長はじめ生徒たちの思い、夢破れたOBの思い、管弦楽部とマエストロのはざまに立つ担当教師の思い、地域の参加者の思い、そして何よりも当日の「第九」の演奏の様子まで6年間の集大成を構成する。

本番中のマエストロ佐渡裕