広川ICから車でほど近く。広川町のまち中に、昼はドッグラン併設のカフェ、夜はペット同伴可能な居酒屋として利用できる店『想咲ダイニング 憩』があります。
店内からはそのままドッグランへ出ることができ、愛犬が遊ぶ様子を眺めながら食事を楽しめます。
一方で、店内はワンちゃん同伴の方用と一般の方用で空間が分かれているため、ペットを連れていない人もランチや夜ご飯を楽しみやすいつくりです。
店を営むのは、真鍋政敏さん。もともと飲食の仕事をしてきた真鍋さんにとって、この店は少し予定より早く始まった、自分の店でした。
◼️祖父母の店を前に、予定より早く動き出した
真鍋さんには、いつか自分の店を持ちたいという思いがありました。ただ、それはもう少し先のことだと考えていたそうです。
「35歳ぐらいまでにお店ができたらいいなって、考えてて」
その予定が動いたのは、2026年の正月。家族から祖母の体調が思わしくないと連絡があり、会えるうちに会いに行くことに。そのとき話題に上がったのが、祖父母が営んでいた割烹料理屋のことでした。
店としての営業は10年以上前に止まっていましたが、道の駅への仕出しなどで厨房は使われていたといいます。中の調理機器もまだ動く。解体するのか、売るのか。そんな話をしているうちに、真鍋さんの中で店を始める選択肢が現実味を帯びていきました。
「使ってた機械も全然動くし、もったいないね、もうお店やったら!みたいな」
勢いだった、と真鍋さんは笑います。けれど、その勢いの奥には、幼いころから飲食の現場を見てきた時間がありました。
祖父母の店を手伝っていた記憶。飲食の仕事を続けてきた経験。そして、いつか自分の店を持ちたいという思い。いくつもの点が重なり、店づくりは予定よりも早く動き出しました。
◼️居酒屋から、犬と過ごせる店へ
最初に考えていたのは、居酒屋でした。料理とお酒を楽しめる店は、飲食の仕事をしてきた真鍋さんにとって自然な形だったといいます。
ただ、真鍋さん自身も犬を飼っています。店に立つなら、愛犬と一緒に出勤することになる。そう考えたとき、店の形が少しずつ変わっていきました。
「自分がワンちゃん連れてくるなら、ワンちゃん連れのお客さんも来やすいようにしたい」
犬は家族のような存在。けれど、犬と一緒に夜ご飯やお酒を楽しめる店はまだ多くありません。そんな発想から、ペット同伴可能なダイニングという形が見えてきました。
現在の場所は、もともとドッグカフェだったこともあり、ドッグランの名残があったそうです。
ただ、当初のスペースは小さかったといいます。真鍋さんはフェンスを外し、駐車場の一部まで広げて、今の広々としたドッグランをつくりました。
◼️犬連れでも、そうでなくても
ドッグラン付きの店と聞くと、犬を飼っていない人には少し入りづらく感じられるかもしれません。真鍋さん自身も、その印象は感じているそうです。
けれど、『想咲ダイニング 憩』が目指しているのは、犬連れだけの場所ではありません。犬を飼っている人も、飼っていない人も、それぞれが気兼ねなく過ごせる場所です。
「ワンちゃん飼ってない方で、やっぱり苦手な方とかもいらっしゃるんで」
店内は引き戸で空間を分けて利用できるつくりになっています。愛犬と一緒に食事をしたい人、普通にランチや居酒屋として楽しみたい人。どちらかに偏りすぎない距離感が、この店らしさでもあります。
実際、昼には近所の年配客が食事に訪れることも多いそうです。地域の人がふらっと立ち寄り、犬連れの人が遠方から訪れ、店内で自然に会話が生まれる。『憩』という名前の通り、ここにはいろいろな人の居場所が重なっています。
◼️“ペット可”の前に、ちゃんと食事を楽しめること
取材時に注文したのは、「チキン南蛮」。サラダとスープ付きで1,200円(税込)です。
しっかりとしたボリュームがあり、甘酢とタルタルのバランスもよく、ランチとして満足感のある一皿でした。
鍋さんが店の推しとして真っ先に挙げたのも、料理でした。
犬と一緒に行ける店は、どうしても“ペット可”の部分が前に出やすいもの。真鍋さん自身も、さまざまなドッグカフェや室内ドッグランを利用してきたそうです。その中で感じたのは、人が食べる料理が主役になりにくい場面もあるということでした。
ペットと一緒に過ごせるだけではなく、人もきちんと満足できること。その考えが、メニューづくりの根っこにあります。
夜の居酒屋メニューも力が入っています。串揚げは薄衣で食べやすく、サイズも大きめ。なかでもエビにはこだわっており、セットにも入れるようにしているそうです。生ビールやドリンク類も手に取りやすい価格に設定し、まずは店を知ってもらうことを大切にしています。
◼️広川に、人が集まる場所を
人だけでなく、わんちゃん用のメニューも用意されています。取材時に頼んだのは「わんこツインハンバーグ」(680円税込)。
そのほかにも、食事メニュー、スイーツ、お菓子などが充実しており、愛犬と一緒に“外食”を楽しめる内容になっています。
オープン前にはクラウドファンディングにも挑戦しました。1ヶ月に満たない期間で80名以上から支援が集まり、プレオープンには、香川や熊本など県外から訪れる人もいたといいます。
一方で、地域とのつながりも少しずつ育っています。以前開催したマルシェイベントには、入れ替わりで約200人が訪れました。出店者を招き、ダンスの発表も行い、犬を飼っている人もそうでない人も集まったそうです。
ドッグランがあるから人が来るのではなく、人が集まる場所にドッグランがある。そんな関係が、この店には似合っています。
これからどんな場所にしていきたいかを尋ねると、真鍋さんは店名に重ねてこう話しました。
「名前通り、本当に“憩い”の場所になってくれたらうれしい」
犬を連れている人も、そうでない人も。近所の人も、遠くから訪れる人も。誰かの「行ってみたい」が重なって、広川町に新しい居場所が少しずつ育っています。
愛犬と一緒に過ごしたい人にも、気軽においしいご飯を楽しみたい人にも。広川町で、ふと思い出したくなる一軒です。
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◼️『想咲ダイニング 憩(そうさくダイニング いこい)』
住所:福岡県八女郡広川町新代1349-10
電話:0943-22-9225
営業時間:11:00〜17:00(カフェ)/17:00〜23:00(居酒屋)
定休日:月曜・不定休
駐車場:あり
SNS:Instagram:@sousaku.dining_ikoi
https://www.instagram.com/sousaku.dining_ikoi/
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※情報は2026年7月時点のものです。最新情報は公式HP、Instagram等でご確認ください。
■ 想咲ダイニング 憩
住所:福岡県八女郡広川町新代1349-10
Instagram:@sousaku.dining_ikoi
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