【わざわざ行きたい店】知っておくべき!西新の路地裏で16年間育まれてきたカルチャーカレー!ステンドグラスが灯るスパイス&ハーブ料理店『ROJY(ロジィ)』(福岡市早良区)【まち歩き】
福岡市早良区・城西。西新の商店街の賑わいから一本外れると、急に静かな通りになる。
その一角にあるのが、スパイスカレーの店『ROJY(ロジィ)』だ。
2009年のオープンから、今年で17年目。
■扉を開けて、広がる空間
店内に入るとまずステンドグラスの照明が印象的だった。奥さんが手がけたものだという。 木の質感を活かした店内に、色のついた光が落ちている。1階はカウンターとテーブルが1卓。音楽が静かに流れている。
2階に上がると、テーブル席だけの空間になる。1階よりも一段と静かで、落ち着いた雰囲気だ。ゆっくり話したい日は、こちらがいい。
ひとりでも入りやすく、友人とも長居できる。棚には絵本が置かれていて、子ども連れでも構えずに来られそうだ。
落ち着ける、という言葉が一番近い。
■おすすめはグリーンオムカレー
メニューを開くと、グリーンカレーが軸にあって、そこからオムカレーのバリエーションが広がっている。
カレー以外の一品料理も並び、お酒の欄がかなり充実している。
おすすめは「グリーンオムカレーSet」(サラダ・ドリンク付/税込1,480円)。
運ばれてきたのは、オムライスとソースが別々の状態だった。卵はふわとろ。スプーンを入れると、表面がやわらかく崩れていく。
グリーンカレーのソースは、自分でかける。 注いだ瞬間、レモングラスの香りが立ち上がった。
辛さは選べる。今回は3辛でお願いした。店主いわく、本場に近いのは4辛だという。3辛でも、後からじんわりと熱が上がってくる。香りを楽しむ余裕を残しながら、後半でしっかり効いてくる。
セットのサラダは、ドレッシングがアジア風。箸休めというより、カレーと地続きの味だ。
ドリンクはマンゴーラッシーを選んだ。辛さを追いかけるように飲むと、口の中がすっと落ち着く。ほかにコーヒーやレモングラスを使ったハーブドリンクも。
週替わりカレーは、季節の食材やお客さんのリクエストで決まる。キーマカレーは月に一度。 辛いものが苦手な人にはクリーミィポテトカレー、子ども向けには子どもポテトカレー、子ども日替わりカレーがある。辛さに不安がある人も、心配はいらない。
■そのペーストは、すり鉢で作られている
グリーンカレーのペーストは自家製だ。
厨房のすり鉢を見せてもらった。
覗いた瞬間、青い香りが真っ直ぐ立ち上がってくる。皿の上で嗅いだのと、同じ香りだ。
タイから仕入れた材料に、レモングラス、生姜、にんにく、こぶみかん、赤玉ねぎ、発酵させたエビなどを合わせ、潰していく。
シンプルに、素材の香りが立つ配合を選ぶ。あの一皿の輪郭のはっきりした香りは、そこから来ている。
■雪山のアルバイトから、この店に至るまで
西田さんは、料理学校の出身ではない。
きっかけは長野県だった。雪山でリゾートアルバイトをしながら、林業のような仕事に就こうかと考えていた時期がある。たまたま入った飲食店の厨房で、料理を始めた。
そして旅行で訪れたタイで、グリーンカレーに出会う。
「それまで、カレーってインドカレーくらいしか知らなかったんですよ。もともとは喫茶店みたいな、パスタとかハンバーグをやりたかったんですけど」
福岡に戻ってからは、すぐには独立しなかった。飲食企業の社員として、調理よりも店舗管理や人事といった経営の側を任される日々を過ごす。独立前にはスリランカ料理店でも働いた。
「お店を出すには、お金に強くならないといけないなと思って」
物件は、天神や博多といった中心部を最初から外して探した。見つけたこの場所は、トイレが和式のまま残る何もない状態。
基本的な施工は業者に頼みつつ、壁の塗装は自分で。内装のデザインは、奥さんと一緒に考えた。
あのステンドグラスの照明も、その延長線上にある。
ちなみに店名の「ROJY」は、路地裏から来ている。
■昼と夜、そして占いと朝ラン
営業は昼が14:30ラストーオーダー。夕方に仕込みの時間を挟んで、夜は18:00から。
夜はメニューが変わりお酒のメニューも並んで、昼とはまた違う顔になる。
近所の常連客、西南学院大学の学生、主婦。最近は韓国や台湾からの旅行者も増えているという。
常連の店にありがちな、初めてだと入りにくい感じはなく、誰が来ても、同じ距離感であたたかく迎えてくれる店だ。
この店では、イベントも定期的に開かれている。
奥さんは占いが趣味で、その延長でイベントを開くように。マヤ暦は、マヤ暦アドバイザーの方を招いてのイベントとして行われている。
西田さんのほうはマラソンが趣味で、こちらは朝ラン会。走ったあとに店へ、という流れができている。
カレーを食べに来て、そのまま別の入り口が開くこともある。
開催の情報はInstagramで告知されているので、気になる人はのぞいてみてほしい。
■「いつも通り、長く」
この店には、ここを通って独立していった料理人が何人もいる。
営業が終わったあとの店を、若い料理人に開放してきたからだ。
夜だけのイベントのような形で、料理を出してもらう。
そうしてここから巣立ち、自分の店を構えていった人たちがいる。
「面白い子たちですよ」
そう言って、そのうちの一軒のカードを差し出してくれた。
客同士も、よくつながる。かつてはバーベキューやカラオケといったイベントを頻繁に開いていて、過去には1年間のうちに5組が結婚したこともあるという。
これから店をどうしていきたいか。
最後にそう尋ねると、西田さんは少し考えて、こう答えた。
「もう、いつも通りですかね。長く、気負いなく」
店を増やそうとは思わない。よく言われるけど、と付け加える。
商店街から一本外れるだけで、16年ぶんの香りが染みついた店がある。
スプーンを置いて店を出るころには、次は何を頼もうかと考えていた。
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■『Spice Herb ROJY(スパイス・ハーブ ロジィ)』
住所:福岡市早良区城西2-11-28
電話:092-831-4712
営業時間:ランチ11:45〜14:30L.O./ディナー18:00〜21:30L.O.
定休日:火曜
Instagram:@rojy_fukuoka
https://www.instagram.com/rojy_fukuoka/
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■ Spice Herb ROJY
住所:福岡市早良区城西2-11-28
Instagram:@rojy_fukuoka
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