【わざわざ行きたい店】東京で話題のスイーツ「フラン」を姪浜で。町で愛されてまもなく15年の人気店シェフが手掛ける逸品を味わいに『Patisserie Petitjour』(福岡市西区)【まち歩き】

姪浜駅南口から歩いてすぐ、紺色のオーニングに金色で記された店名が目印の『Patisserie Petitjour(パティスリー プティジュール)』。
白い壁に、味わいのある紺色の扉。足元には、オリーブや季節の草花、アンティークなミルク缶がそっと置かれ、まるでフランスの街角に迷い込んだかのような佇まいです。
2011年12月のオープンからまもなく15年、姪浜で愛され続けてきたこの店へ、本格フランス菓子を求めて足を運びました。


■ショーケースに並ぶ宝石のようなケーキ

扉を開けた瞬間、ケーキ店の甘い香りに包まれながら目に入るのは、種類豊富なケーキ。定番から季節限定まで、ショーケースいっぱいに並び、どれにしようかとワクワクします。

旬のフルーツを使ったタルトや、記念日にうれしいホールケーキもそろい、シーンに合わせて選べるのも魅力です。


■いま注目のフランと、本格フランス菓子

今回注文したのは、本格的なフランス菓子が揃う中から3品。

まずは、「フラン マダガスカル」(648円税込)。
フランとは、カスタードを香ばしく焼き上げたフランスの伝統菓子で、今東京を中心に話題を集めているスイーツです。素材も工程も多くないぶん、卵やミルクの選び方、バニラの香らせ方、パイ生地の焼き加減といった一つひとつの選択が、そのまま味になって表れます。シンプルであることは、パティシエのセンスがごまかしなく出るということなのかもしれません。

こちらのフランは、卵とミルクの豊かなコクに、マダガスカル産バニラの芳醇な香りを重ねた一品。ざっくりと香ばしいパイ生地の中に、とろりと濃厚なカスタードがたっぷりと詰まっています。飾らない見た目だからこそ、素材の良さがまっすぐ味わいに表れます。ひと口で、バニラのやさしい甘い香りが口いっぱいに広がります。プリンやカスタードが好きな人なら、きっと夢中になるはず。東京で話題のフランを福岡でも味わえるのは、うれしい限りです。

(写真上:フラン マダガスカル、左:タタンモデルヌ、右:シシリー)

続いては、新作の「タタンモデルヌ」(810円税込)。
オーブンでじっくり焼き上げたリンゴに、カルバドス(リンゴのブランデー)が香るミルクチョコガナッシュ、サクサクのパイ生地を合わせた、タルトタタンを現代風にアレンジした一品です。じっくり火を入れたリンゴのやさしい甘みと、カルバドスの大人の香りが重なり、リンゴ好きにはたまらない味わいです。

人気の定番商品、鮮やかな彩りが目を引く「シシリー」(626円税込)。
シチリア産ピスタチオのムースに、ジャンドゥジャ(ヘーゼルナッツとチョコレートを合わせたペースト)のムースを重ね、中にはフランボワーズソースを忍ばせた一品です。ピスタチオとヘーゼルナッツの香ばしくコク深い味わいに、中から現れるフランボワーズの甘酸っぱさがアクセント。ナッツの濃厚さと、ベリーのさわやかさが響き合う、計算された構成が楽しめます。


■オープンまでの道のり

小料理店を営む母親の影響で、子どもの頃から料理に親しんできたという、オーナーシェフの濡石 勉さん。「いつか料理の道に進むのだろうと、どこかで思っていた」と振り返ります。

転機になったのは、フランス菓子を特集したテレビ番組。「お菓子も面白いかもしれない」と惹かれ、大阪の辻製菓専門学校へ進学しました。卒業後は、福岡の名店として知られる『パティスリー ジャック』で修行を積み、やがて自身の店『Patisserie Petitjour』をオープン。ショーケースに並ぶケーキやパンには、濡石さんがこれまで積み重ねてきた経験のすべてが詰まっています。

フランスの伝統菓子をベースに、オリジナルの製法も織り交ぜながら生み出されるお菓子の数々。砂糖や小麦粉には国産のものを使い、焼く前にあえて火を入れて風味を引き出すなど、目に見えないところにこそこだわりが光ります。

「ケーキ屋は、華やかに見えて、実はひとつひとつは地味で力仕事なんです」と濡石さん。オープン当初は、厨房に立つのは濡石さん一人きり。寝る間も惜しんでケーキと向き合う日々だったといいます。今ではスタッフみんなで力を合わせ、その味を守り続けています。


■手土産にも嬉しい焼き菓子やギフト缶も

ショーケースの横には、色とりどりの焼き菓子がずらり。クッキーやフィナンシェなど、日持ちする焼き菓子は、ちょっとした手土産にもぴったりです。

なかでも目を引くのが、焼き菓子の詰め合わせギフト缶。開ける前からワクワクするような可愛らしいデザインで、もらった瞬間に笑顔になれそうな一品です。棚には自家製コンフィチュール(ジャム)も並びます。パンやヨーグルトに添えれば、おうちでもプティジュールの味を楽しめます。
大切な誰かへの贈り物にも、がんばった自分へのご褒美にも。もちろん、ショーケースのケーキと一緒に選ぶのもおすすめです。心ときめく一品が、きっと見つかります。

■「作りたいものを、作り続けたい」

独立を果たし15年が経った今も、濡石さんの歩みは止まりません。姪浜駅南口から徒歩5分の場所には、長年夢見ていた姉妹店となるカフェ『Bakesmith』をオープン。『Patisserie Petitjour』とはまた違った雰囲気で、コーヒーとともにゆっくり過ごせます。

その胸には、さらに先の目標もあります。2つの店でたくさんの人においしいものを届けたのち、いつか自身の故郷であるうきは市・吉井の地に店を構え、締めくくりとしたいのだそうです。白壁の町並みで知られる地元で、集大成となる一軒を。そんな夢を描いています。

「作りたいものを、作り続けたい」。

そう語る濡石さんの言葉には、スイーツづくりへのまっすぐな想いが込められています。
その想いが詰まった一品を求めて、今日も多くの人が『Patisserie Petitjour』の扉を開けます。


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◼️『Patisserie Petitjour(パティスリー プティジュール)』
住所:福岡県福岡市西区姪浜駅南1-6-13
営業時間:10:00〜19:00(日祝日〜18:00)
定休日:月曜、隔週火曜
駐車場:周辺に有料パーキングあり
SNS:Instagram:@Patisserie Petitjour
https://www.instagram.com/patisserie_petitjour/
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※情報は2026年10月時点の取材内容をもとにしています。営業時間・営業日は変更となる場合があります。最新情報は公式Instagram等でご確認ください。

■ Patisserie Petitjour(パティスリー プティジュール)

住所:福岡県福岡市西区姪浜駅南1-6-13
Instagram:@Patisserie Petitjour

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