エネルギー施設標的で燃料価格高騰に懸念 イラン弾道ミサイル“鉄壁”防空網を突破
国際|
06/15 23:30
イスラエルとイランの軍事衝突。イランでは、新たにガス田などエネルギーインフラ施設にも空爆が行われ、今後、エネルギー価格の高騰など世界経済に影響を与える恐れがあります。
■ガス田にも空爆 エネルギー価格高騰も
イランによる報復攻撃を受けた、イスラエルの商業都市テルアビブ。
(醍醐穣記者)「この規制線の先が、ミサイルが直撃した現場になります。あたりは砂埃がまっている状態です。あちらの建物です。あちらの一部にミサイルが直撃したということです。」
この建物には、いまだ複数の人が生き埋めになっていて、救助活動が続けられていました。
(イスラエルの警察)「残念ながら生き埋めの中には複数の死者も含まれる」
事実上の交戦状態となったイスラエルとイラン。双方による攻撃の応酬が、激しさを増しています。
イスラエル各地では、イランの報復攻撃によるミサイルが次々と飛来。警報が鳴り響き、上空には迎撃ミサイルによる閃光がほとばしります。
(醍醐穣記者)「今、迎撃のミサイルが上がっています。イランのミサイルでしょうか、光る物体が流れていきます。」
現地メディアによると、イスラエル軍はイランから波状的に打ち込まれた約200発のミサイルのうち、4分の1にあたる50発ほどが迎撃に失敗したと報じています。
鉄壁を誇るイスラエルのミサイル防衛システムも破られ、街は瓦礫の山に。多くの住民に被害が出ています。
(住民)「すごい爆風で大量のほこりが入ってきて息苦しかった。」
イスラエルの現地メディアによると14日夜からのイランのミサイル攻撃によって、少なくとも10人が死亡し100人以上がけがをしたと報じています。イスラエルのネタニヤフ首相は―。
(イスラエル
ネタニヤフ首相)「イランの現政権の関連施設をすべて破壊します。イランが今感じている苦痛は、我が軍がこれから与える苦痛と比べれば取るに足らない」
さらなる攻撃の激化を示唆しました。
「核兵器の開発阻止」に向けた自衛の措置としてイランの核施設の攻撃を開始し、革命防衛隊の幹部ら20人以上を殺害したイスラエル。
14日はさらに石油・ガス施設などインフラ関連施設なども攻撃。標的の範囲を広げています。イランの国防省や集合住宅などにも攻撃を行っていて、ロイター通信によると、これらの攻撃で約60人が死亡したと報じています。
■プーチン氏「仲介の用意がある」
今後の鍵を握っているのがアメリカの動きです。急遽、電話会談を行ったトランプ大統領とロシアのプーチン大統領。その中でプーチン大統領は「仲介役を務める用意がある」と伝えたといいます。
一方のトランプ大統領は「憂慮すべき事態だ」と話したそうです。
トランプ大統領は自身のソーシャルメディアにこう投稿しています。
(トランプ大統領)「イランとイスラエルの間で、ディール(取引)を成立させ、この血なまぐさい紛争を終らせることは簡単だ。」
6月15日『有働Times』より