「普通の市民」が犯罪行為に… 誤情報から殺人事件に発展【フェイクの波紋】
国際|
06/17 12:27
今、SNS上では意図的に作られた嘘の情報や事実と異なる誤った情報による波紋が広がっています。メキシコでは、あるフェイク情報にあおられた一般市民たちが暴徒化し、殺人事件を起こすなど深刻な問題となっています。
先月、メキシコ中西部・グアダラハラ近郊で、人気インフルエンサーがライブ配信中に殺害される事件が起きました。警察は今も犯人を特定していませんが…。
フェイク情報
「元交際相手で容疑者の写真はこちら。逃亡中です」
SNS上では、地元の記者が容疑者であるとのフェイク情報が拡散されました。記者の元には5000通の脅迫メッセージが届いたといいます。
フェイク情報がさらに深刻な事態を招いたケースもあります
「ここに犯人がいる!子どもを誘拐したんだ!」
2018年、中部アカトランでは、SNS上に出回ったフェイク情報で誘拐犯とされた男性2人が、暴徒化した市民に殺害されました。
犠牲となったのは、大学生のリカルド・フロレスさん(当時21)と叔父のアルベルト・フロレスさん(当時43)。2人は職務質問を受け、警察署で事情を聴かれているだけでした。
「見知らぬ人がいる」という噂が、SNS上で「誘拐犯がいる」という誤った情報に変わり拡散。殺人へと発展したのです。そもそも誘拐事件自体、架空のものでした。
3人が殺人の容疑で逮捕されましたが、市長は「ごく普通の市民だった」と話します。
メキシコ
バルセナス市長
「住民の行き過ぎた正義感が殺人に発展しました。フェイク情報が普通の住民を惑わし、豹変(ひょうへん)させてしまったのです」
フェイク情報は時として、市民を暴力行為へと扇動する危険もはらんでいます。
(C)
CABLE NEWS NETWORK 2025