福岡県糸島市志摩岐志。海沿いを走る志摩サンセットロード沿いに、カフェレストラン『HACHIDORI(ハチドリ)』がある。
観光で糸島を訪れた人にとっては、ドライブの途中に立ち寄りたくなる場所だ。
けれど、店を訪れるのは観光客だけではない。オーナーの吉村さんによると、地元客も多いという。
その理由は、景色だけでは語れない。ランチ、カフェ、コース料理、スイーツ。
ひとつの目的に絞りすぎず、その日によって使い方を変えられる店であること。
HACHIDORIには、何度も足を運んでもらうための工夫がある。
「今日はこれを食べたから、次はあれを食べてみたい。そう思ってもらえるお店にしたいんです」。
吉村さんの言葉には、店づくりの芯がそのまま出ている。
■観光地の店であり、地元の人の店でもある
HACHIDORIは、筑前前原駅から車で約18分。志摩サンセットロード沿いにあり、糸島ドライブの途中にも立ち寄りやすい。
店内には、海を望むカウンター席やソファ席がある。大きな窓に向かって座ると、食事の時間に自然と海が入り込んでくる。お店ではその感覚を「船の中にいるよう」と表現している。
ただ、HACHIDORIが目指しているのは、景色を楽しむためだけの店ではない。
「観光で訪れる方だけでなく、地元のお客様にも何度でも足を運んでいただけるお店でありたいと思っています」。
一度行って終わりではなく、また来る理由があること。ランチの日もあれば、甘いものだけの日もある。家族で食事をする日もあれば、大切な人と少し時間をかけて食べる日もある。
海沿いの非日常感を持ちながら、使い方は身近。そのバランスが、この店の特徴だ。
■糸島の食材を、肩ひじ張らずに味わう
料理に使うのは、糸島産の野菜を中心とした地元の食材だ。
吉村さんは、素材そのものの味を大切にしているという。
「糸島産の新鮮な野菜をはじめ、地元の食材をふんだんに使っています。素材の美味しさを大切にした料理を提供したいんです」。
糸島には、野菜、魚介、肉、加工品など、飲食店にとって力になる食材が多い。HACHIDORIでは、それらを特別な説明で飾りすぎるのではなく、ランチやコースの中に取り入れている。
見た目の華やかさだけを狙うのではない。食べ進める中で、野菜の食感や、ソースの味、温かい料理と冷たい料理の違いが出てくる。ひと皿ごとに、少しずつ表情が変わる。
糸島らしさを前に出しすぎず、でも食べ終えたあとには、地元の食材をしっかり味わった感覚が残る。そこに、吉村さんの料理の組み立て方がある。
■人気の御膳「彩」は、少しずつ楽しむランチ
HACHIDORIの人気メニューのひとつが、御膳「彩(税込2,480円)」だ。
季節の糸島野菜を中心に、小鉢を少しずつ楽しめるようにした御膳である。ひとつの料理を大きく出すのではなく、いくつかの料理を組み合わせる。野菜、肉料理、ポタージュ、ご飯、小鉢などを、順番に食べ進める内容だ。
吉村さんは、旬の食材を取り入れながら、最後まで飽きずに食べられる構成を心がけているそう。
ランチでしっかり食べたい。でも重たくなりすぎるのは避けたい。そんな時に、少しずついろいろな味を楽しめる御膳は選びやすい。
地元客が何度も訪れる店にするには、「また同じものを食べたい」と思える料理と、「次は別のものも食べたい」と思える余白の両方がある。御膳「彩」は、その入口になるメニューなのだろう。
■ランチコースは、少し時間をかけたい日に
HACHIDORIには、ランチコース(税込3,200円〜)もある。
吉村さんはこのコースについて、「少し特別なランチを気軽に楽しんでいただきたい」という思いで用意していると話す。
内容は、前菜6種の盛り合わせから始まり、ポタージュ、魚料理、選べるメインの肉料理、デザートへと続く。一皿ごとに旬の食材や糸島野菜を取り入れ、その時期に合わせて内容を考えているという。
記念日やご褒美ランチにも使いやすいが、かしこまりすぎたコースではない。普段のランチより少しだけ時間をかけたい日。誰かとゆっくり話しながら食事をしたい日。そうした場面に合うコースだ。
料理を急いで食べるのではなく、前菜、メイン、デザートと流れの中で楽しむ。コースにはドリンクもついていて、海沿いの店という立地も、その時間の使い方を後押ししてくれる。
■ランチ、カフェ、スイーツ。使い方をひとつに決めない
HACHIDORIの魅力は、料理の選択肢にもある。
しっかり食事をしたい時には御膳やコース。軽く休みたい時にはカフェ利用。甘いものを楽しみたい時にはスイーツ。目的が違っても、同じ店を選べる。
「日常使いから記念日、ご家族とのお食事まで、さまざまなシーンで気軽にご利用いただけるお店を目指しています」。
吉村さんはそう話す。
観光地の飲食店は、どうしても“特別な日に行く場所”になりやすい。もちろん、それも大切な役割だ。ただ、地元に根づくには、もう少し幅が必要になる。
HACHIDORIは、海沿いという場所の強さを持ちながら、メニューの幅で地元の人にも開いている。今日は御膳、次はスイーツ、その次はコース。そんな選ばれ方を想定している店だ。
■海を見に行く店から、また食べに行く店へ
HACHIDORIを訪れるきっかけは、海かもしれない。糸島らしい景色を求めて、ドライブの途中で立ち寄る人も多いはずだ。
けれど、吉村さんが大切にしているのは、その先にある。
「これからも地域に根差したお店として、皆さまに愛される場所であり続けられるよう、一皿一皿心を込めてお届けしていきたいと思っています」
景色のある店は、強い。だが、景色だけでは何度も通う理由にはなりにくい。
地元の食材を使い、御膳もコースもスイーツも用意する。観光客にも、地元の人にも、それぞれの使い方を残しておく。
HACHIDORIは、糸島の海を見に行く店でありながら、また食べに行きたくなる店でもある。ドライブの途中に、目的地のひとつとして覚えておきたい一軒だ。
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■『HACHIDORI(ハチドリ)』
住所:福岡県糸島市志摩岐志1510-1
電話:092-332-0723
営業時間:11:00〜17:30(料理・ドリンク LO 16:30)
定休日:不定休
駐車場:あり(15台・無料)
Instagram @hachidori.itohighland
https://www.instagram.com/hachidori.itohighland?igsh=amw0eW5uamduamFz
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※情報は2026年6月30日時点のものです。最新情報はInstagram等でご確認ください。
■ HACHIDORI(ハチドリ)
住所:福岡県糸島市志摩岐志1510-1
Instagram: @hachidori.itohighland
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