【糸島ドライブ】築100年古民家に生まれた自家焙煎カフェ!糸島産フルーツのフレーバーコーヒーとティラミスでほっこり!予定より20年早く始めた糸島珈琲物語『喫茶楽峰』(福岡・糸島市)【まち歩き】

糸島市内に、築100年ほどの古民家を改装した喫茶店がある。店名は『喫茶楽峰(がくほう)』。
2026年5月24日にオープンした、自家焙煎コーヒーを楽しめる店だ。

店の代表を務めるのは、南さん。現在も会社員として働きながら、焙煎や店づくりを担い、スタッフと役割を分けながら『喫茶楽峰』を営んでいる。
南さんにとってこの店は、いつかやってみたいと思っていたことが、思いがけず少し早く動き出したものでもある。

「定年退職したら、カフェみたいなことをやりたいなと思っていたんです。それが20年くらい前倒しになりました」。

その言葉には、会社員として働きながらも、好きだったコーヒーを少しずつ形にしてきた歩みがにじんでいる。


■自分で焙煎した豆が、店の一杯になるまで

南さんは福岡市出身。7年ほど前に糸島に自宅を建て、現在は糸島で暮らしている。

コーヒーが好きになったのは、大学生の頃。豆を買い、自分で挽いて淹れる。その楽しみが、少しずつ深まっていった。転機になったのは、4年ほど前の東京勤務。赴任先の近くに、時間貸しで焙煎機を使えるカフェがあり、「自分で焙煎したコーヒーを飲んでみたい」と思ったことから、焙煎を始めた。

焼いた豆を家族や友人に振る舞ううちに、「おいしいね」と言われる機会が増えていった。その延長線上に、今回の店がある。

きっかけは、知人からの声かけだった。築100年ほどの古民家を改装し、宿泊やイベント利用も見据えた空間にしたい。その一角にカフェをつくりたい。そんな話を受け、自分の経験を生かせるならと、店を始めることを決めた。

現在も会社員として働く南さんは、焙煎や店づくりを担いながら、日々の営業はスタッフと役割を分けて進めている。築100年の古民家という場所との出会いに、店をともにつくるスタッフとの縁も重なった。いくつもの縁が集まり、糸島のこの場所で、自家焙煎のコーヒーを楽しめる時間が始まっている。

■築100年の古民家に、学生たちの手が入る

店内に入ると、古い梁が目に入る。新しく整えられた空間の中に、もともとの建物が持つ時間が残されている。

改装には、九州大学の建築系サークル「糸島空き家プロジェクト」の学生たちも関わった。
特徴的なのはカウンター。杉の皮を型枠に使い、モルタルにその質感を残したという。表面に浮かぶ模様は、古民家の落ち着きと、学生たちの発想が重なって生まれたものだ。

ただ古いものを残すだけではない。若い感性が入り、喫茶店としての新しい表情が加わっている。


■店名に込めた、楽しみながら高みを目指すこと

『楽峰』という名前は、南さんが書道で使う雅号に由来している。

書道の雅号は、作品に添えるもう一つの名前のようなもの。南さんの場合、「峰」は書道を習う中で付けられた一字で、高みを目指すという意味が込められている。

一方の「楽」は、店を支えるスタッフが付けた一字だ。南さんが書道の雅号を決める際、一字だけ自分で選べることになり、同じく書道に親しむスタッフに相談したという。そこで選ばれたのが「楽」。音楽にも親しみ、何事にも真剣に向き合う南さんに、もう少し気楽に楽しんでほしい。そんな思いから付けられた字だった。

「コーヒーを一緒に楽しんでくださる皆さんと、楽しみながら高みを目指せるようなものができたらいいなと思っています」。

楽しむことと、高みを目指すこと。二つの言葉が重なった『楽峰』という名前には、南さん一人だけでなく、店をともにつくる人たちとの縁も含まれている。

■香ばしく華やかな、自家焙煎の中浅煎りコーヒー

喫茶楽峰の中心にあるのは、南さんが自ら焙煎する「ハンドドリップコーヒー(ホット 税込500円)」だ。

今回味わったのは、エチオピア・シャンタウェネ。中浅煎りの豆で、ベリー系や紅茶を思わせる華やかな風味が特徴だ。口に含むと、明るい酸味に加え、クリーンな口当たりと、ほんのりとした苦味が重なる。香ばしさがありながら、後味にはトロピカルな印象も残る一杯だった。

一方で、深煎りのコクや苦味を求める人に向けた豆も用意している。華やかな中浅煎りから、なじみのある深煎りまで。好みに合わせて選べるところに、喫茶楽峰の間口の広さがある。


■糸島の柑橘が香る、オリジナルのフレーバーコーヒー

もう一つ、喫茶楽峰らしさを感じられるのが、糸島のわかまつ農園とともに作ったオリジナルの「糸島産フルーツのフレーバーコーヒー(税込550円)」だ。

わかまつ農園が育てる柑橘由来の香りを生かし、焙煎後のコーヒー豆にふわりと香りをまとわせている。紅茶ではよく知られるフレーバーティー。けれど、コーヒーではまだあまり見かけない。南さんはそこに面白さを感じ、わかまつ農園に相談。柑橘の香りを生かした、喫茶楽峰ならではの一杯が生まれた。

袋を開けると、ふわりと広がる柑橘の香り。飲む前から、通常のコーヒーとは違う印象が立ち上がる。糸島の素材と、自家焙煎の試みが重なったメニューだ。

豆の販売も行っており、ギフト用のパッケージも用意されている。自宅用にはもちろん、糸島らしさを感じる贈り物としても選びやすい。

■コーヒーのそばに、甘い余韻を

コーヒーと合わせて楽しみたいメニューとして、「ティラミス(税込600円)」や「チーズケーキ(税込600円)」も人気だ。

午後になると、ランチのあとに立ち寄る人が増えるという。食後の一杯と、少し甘いもの。そんな使い方をする人が多いのだろう。コーヒーの風味に負けない、濃厚な味わいのスイーツが並ぶ。

コーヒーだけでなく、ココアやラテなども用意。甘みのあるドリンクもあり、コーヒーが得意ではない人でも立ち寄りやすい。

■20年早く始まった、糸島での喫茶時間

定年後にカフェをやってみたい。南さんの中にあったその思いは、思いがけず20年ほど早く動き出した。

自分で焙煎した豆を家族や友人に振る舞ってきた経験が、築100年の古民家との出会いによって、喫茶店という形になった。さらに、日々の営業をともに担うスタッフとの縁、九大生の発想、わかまつ農園の柑橘が重なっていく。店名の「楽」に込められた“楽しむ”という意味も、そうした人とのつながりの中から生まれたものだ。

会社員として働きながら、糸島で暮らし、自家焙煎のコーヒーに向き合う。南さんの思いから始まった喫茶楽峰は、いくつもの出会いによって少しずつ形づくられている店でもある。

まだ始まったばかりだからこそ、この場所にどんな時間が積み重なっていくのかも楽しみになる。糸島で少し静かに過ごしたい日には、築100年の古民家で味わう自家焙煎の一杯を楽しみに、喫茶楽峰へ足を運んでみてはいかがでしょうか。



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■喫茶楽峰(がくほう)
住所:福岡県糸島市泊1809
電話:080-6102-6934
営業時間:11:00~16:00
定休日:水・日曜 (土曜日は不定休)(Instagramにてご確認ください)
駐車場:あり
Instagram:@itoshima_kissa.gakuhou.cafe
https://www.instagram.com/itoshima_kissa.gakuhou.cafe/
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※情報は2026年7月時点の取材内容をもとにしています。最新情報は公式Instagram等でご確認ください。

■ 喫茶楽峰(がくほう)

住所:福岡県糸島市泊1809
Instagram:@itoshima_kissa.gakuhou.cafe

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