福岡でラーメンといえば、まず思い浮かぶのは豚骨かもしれません。
でも、篠栗町でいま食べておきたい一杯は、白く泡立つ鶏白湯。
場所は、県道沿いにある『とり焼肉 悠和(ゆうわ)』。
夜は、銘柄鶏・華味鳥を使ったメニューも楽しめる鶏焼肉の店として営業し、昼の11時から14時までの3時間だけ、鶏白湯ラーメンを提供しています。
丼の表面には、きめ細かな泡。箸を入れると、平打ち麺にスープがまとわりつきます。
ひと口すすれば、鶏の香りと旨みが舌に広がり、後味は思ったよりも重くありません。
「コンセプトは、鶏を感じられるラーメンです」。
そう話すのは、店主の田村和正さん。
濃厚だけど、しつこくない。主役は鶏。とり焼肉店が昼だけ出す、もう一つの鶏料理です。
■夜は鶏焼肉、昼は鶏白湯。店の強みを昼にも生かす
『とり焼肉 悠和』が篠栗町にオープンしたのは、2025年12月。
田村さんはもともと吉塚の出身で、前職では鶏肉を扱う会社に勤めていました。
その後、二又瀬で店を構え、移転を経て現在の篠栗町へ。
出店地ありきではなく、物件との出会いから始まった移転でしたが、この場所で昼と夜の二つの顔を持つ店をつくりました。
夜の主役は、とり焼肉。もも、せせり、レバー、希少部位など、鶏のさまざまな部位を焼いて味わうスタイルです。
その店が、昼にはラーメンを出す。
単なるランチ営業ではありません。夜に鶏を扱う店だからこそ、昼も鶏で勝負する。そこに、この店らしさがあります。
田村さんが商売に興味を持ったのは、料理の世界に入る前。10代の頃、個人経営の洋服店でアルバイトをしていたときだったそうです。
「そのときに、商売って面白いなと思ったんです」。
その後、飲食の仕事に就いてからも、料理だけではなく、店をつくること、商品を考えること、お客さんに選ばれることに面白さを感じてきました。
昼のラーメンも、その延長線上にあります。
■8時間以上炊いたスープを、提供直前に泡立てる
看板メニューは「特製鶏白湯ラーメン 塩」(税込1,500円)。
スープは、国産鶏ガラと水だけで8時間以上炊き上げます。白濁したスープには、鶏の旨みと香りが凝縮されています。
特徴的なのは、仕上げの工程です。
提供する直前、スープをブレンダーで一気に攪拌。表面に細かな泡を立て、乳化を促します。これによって口当たりがまろやかになり、濃厚なスープが重たくなりすぎません。
丼が運ばれてくると、まず目に入るのは、真っ白に泡立つスープです。その下には、銘柄鶏・華味鳥を使った鶏チャーシューとワンタン。さらに煮卵、海苔も加わります。むねとももが各4枚ずつ入り、計8枚という存在感です。
スープをひと口。
鶏の香りが先に来ます。塩味で押すのではなく、炊き出した鶏の旨みで飲ませるスープ。普段ラーメンのスープを飲み干さない人でも、気づけばレンゲが進んでいるような一杯です。
途中でレモンを絞ると、輪郭が変わります。濃厚さはそのままに、後味が締まる。最後までだれずに食べ進められるのは、この一杯の強いところです。
■平打ち麺に泡が絡む。ラーメンというより、鶏料理
麺は、泡立てた鶏白湯スープに合う、「麺屋慶史」の全粒粉入り中細平打ち麺。
細麺のようにスープを切ってすするというより、麺の表面に泡と旨みをまとわせて口へ運ぶ感覚です。香ばしい香りと、もちっとした食感があり、濃厚なスープに負けません。
特製では、むねとももの食感の違いも楽しめます。
むねはしっとり。ももは噛むほどに旨みが出る。ワンタンはつるりと入り、煮卵の黄身がスープに溶けると、さらに厚みが増します。
食べ進めていくと、これは“ラーメン”でありながら、鶏料理として組み立てられていることが分かります。
田村さんが言う「鶏を感じられるラーメン」という言葉は、ここで効いてきます。
豚骨の代わりに鶏を使ったラーメンではありません。鶏を扱ってきた店が、スープ、香り、油、具材まで鶏を中心に据えた一杯です。
■豚骨より軽い。でも、物足りなさはない
客層は30代から50代が中心。男性客がやや多いものの、女性客も少なくないそうです。
鶏白湯は、豚骨に比べると軽く感じられる人も多いジャンルです。
けれど、この店の一杯は、あっさりだけで終わりません。
スープは濃厚。麺にも絡む。鶏チャーシューもたっぷり入る。ワンタン、煮卵、海苔まで食べ進めると、満腹感はしっかりあります。
それでも、食後に喉が渇くようなしょっぱさは残りにくい。
このバランスがいいところです。重たすぎず、軽すぎない。スープをひと口、麺をひと口。むねとももの食感の違いを楽しみながら食べ進めるうちに、気づけば丼の底が見えてきます。
「しょっぱい感じにはしていないです。あくまでも鶏がメイン」。
塩味で押すのではなく、鶏の旨みで次のひと口へ進ませる。そんな一杯を目指している。
■「あまり期待せずに」。ハードルを上げない店主の言葉
オープンから半年ほどで、テレビ番組でも紹介された『とり焼肉 悠和』。
田村さんは今後、昼のラーメンをもっと知ってもらいたいと話します。
夜のとり焼肉だけでなく、昼の鶏白湯も店の柱にしていきたい考えです。
初めて訪れるなら、まずは塩。
白く泡立つスープに平打ち麺をくぐらせ、途中でレモンを絞る。特製なら、むねとももの食感を比べながら、ワンタン、煮卵まで一杯で味わえます。
最後に、読者へ向けてひと言お願いすると、田村さんは少し笑ってこう答えました。
「あまり期待せずに食べていただければ」。
大げさな言葉で押し出すより、まず食べてほしい。そんな言い方でした。
福岡でラーメンを食べる日。豚骨ではなく、鶏を選ぶ。
篠栗町の『とり焼肉 悠和』には、昼の3時間だけ味わえる、鶏を主役にした一杯があります。
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■とり焼肉 悠和
住所:福岡県糟屋郡篠栗町尾仲1-13-6
電話:092-600-0735
営業時間:ランチ 11:00~14:00(L.O.13:45)
ディナー 17:00~23:00(L.O.22:00)※月火木のディナーは完全予約制
定休日:水曜
駐車場:あり
Instagram:@yuwa_toriyakiniku
https://www.instagram.com/yuwa_toriyakiniku
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■ とり焼肉 悠和
住所:福岡県糟屋郡篠栗町尾仲1丁目13-6
電話番号:092-600-0735
最寄り駅:JR篠栗駅から徒歩10分
営業時間:午前11:00~午後2:00
午後5:00~よる11:00
定休日:水曜日
Instagram:@yuwa_toriyakiniku
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