【わざわざ行きたい店】妻への一杯から始まった夫婦の第二の人生。山あいで味わう煎りたてコーヒーと手作りケーキ『小野珈琲焙煎所』(福岡・古賀市)【まち歩き】

福岡県古賀市小山田の山あいにひっそりと佇む、隠れ家的カフェ『小野珈琲焙煎所』。

自家焙煎のコーヒーと手作りスイーツが楽しめるこちらの店を営むのは、吉瀬治尚(きちせ はるひさ)さん・いづみさん夫妻。
実はこの店、もともとコーヒーが苦手だったいづみさんに「おいしいコーヒーを飲んでほしい」という、治尚さんの思いから始まったのだそう。
一杯のコーヒーがきっかけで、夫婦の暮らしが大きく変わっていくことに。
今回は、そんな『小野珈琲焙煎所』を訪ねてきました。


■ 子育ての思い出が残る自宅をカフェに。時間を忘れてくつろげる空間

2020年に自宅の一角でコーヒーの焙煎を始め、2023年5月には自宅の隣にコンテナ型のカフェをオープンした『小野珈琲焙煎所』。
現在カフェとして使われているのは、かつて家族が暮らしていた自宅のリビングとダイニングです。

店内にはレコードやスピーカーが置かれ、どこか懐かしく、誰かの家に遊びに来たような居心地のよさがあります。
実は、家具や音響設備の多くも、もともと自宅で使っていたもの。
「自分たちが持っているものを大切に生かしたかった」と治尚さん。

店を始めるために何もかも新しくするのではなく、家族の思い出が詰まった場所を、そのまま訪れた人がくつろげる空間にしたのです。
ここでは本を読んだり、おしゃべりを楽しんだり、思い思いの時間を過ごす人が多いそう。
以前はあえて時計を置いていなかったというエピソードからも、ゆっくり過ごしてほしいという思いが伝わってきます。


■ 始まりは「妻においしいコーヒーを飲んでほしい」という思い

治尚さんがコーヒーの焙煎を始めたのには、意外なきっかけがありました。
子育てが一段落し、「何か夫婦で楽しめる趣味を見つけたい」と考えるようになったそう。
そこで目をつけたのが、大好きなコーヒーでした。

しかし、いづみさんはコーヒーが苦手。
「せっかくだったら、おいしいものを一緒に楽しみたいじゃないですか」
そんな思いから、苦手な人でも飲めるコーヒーを探し始めました。

さまざまな豆を試す中で辿り着いたのが、焙煎したてのコーヒー。
自宅の鍋で生豆を焙煎してみると、いづみさんから初めて「おいしい!」という言葉が。
そこから焙煎に夢中になり、作った豆を友人にお裾分けすると、そのおいしさが口コミで広がっていきました。
やがて遠方からも豆を買いに来る人が増え、訪れる人を迎えられる場所をつくろうと、カフェのオープンにつながったのです。


■ 煎りたてコーヒーに手作りスイーツ、ランチも充実!

『小野珈琲焙煎所』が何より大切にしているのは、コーヒー豆の「鮮度」。

豆は注文に合わせて焙煎し、できるだけおいしい状態で届けることを心がけています。
焙煎後3日目頃から味わいが整い、10日間ほどが特においしく楽しめる時期なのだそう。

今回注文したのは、店で最初に生まれた「おののさとBlend」(800円税込)。
コーヒーを飲み慣れていない人にも親しみやすい味わいを目指した一杯です。

口に含むと、コーヒーらしい風味がありながらも、すっきりとした飲み口。苦味が強すぎず、ゆっくり味わいたくなるおいしさです。
たっぷりとした量で提供されるのも嬉しいところ。温度による味わいの変化も楽しめます。

そして、コーヒーと一緒にいただきたいのが、奥さま手作りのスイーツ。

今回は「手作りケーキプレート」(750円税込)を注文しました。
プレートには、選べる本日のケーキに加えて、ミニコーヒーゼリーとナッツが添えられています。

選んだのは、バスクチーズケーキ。
実はいづみさん、店のオープン約1か月前からお菓子作りに挑戦したのだそう。
何度も試作を重ね、コーヒーの風味を引き立てるよう、甘さを控えめに調整しています。

バスクチーズケーキの優しい甘さと、すっきりとしたコーヒーは相性抜群でした。

そのほかにも、フレンチトーストやアフォガード、こぶし大の季節のフルーツを使った「大大福」など、気になるスイーツがそろっています。

さらに、ランチメニューも充実!
ナポリタンスパゲッティや明太子スパゲッティ、ペペロンチーノ、オムハヤシなど、お食事も楽しめます。
コーヒーやスイーツだけでなく、ランチタイムにも立ち寄りたくなる店です。


■ 一杯のコーヒーから広がる、人と人とのつながり

コーヒーをきっかけに始まった夫婦の新しい挑戦。
今ではランチの提供やコーヒー教室など、活動の幅も広がっています。
吉瀬さん夫婦が大切にしているのは、コーヒーを通じた人と人とのつながり。
今後は地域での交流や、介護施設などでコーヒーを振る舞う活動にも関心があるそうです。

「10年後に何をしているかわからない。それを楽しめる自分たちでいたい」

そう話すおふたり。
小さな趣味から始まったコーヒーが、今ではたくさんの人とつながるきっかけになりました。

取材の帰りには、いづみさん手作りのマフィン(390円税込)とドリップバッグ(5P900円税込)をお持ち帰り。

帰り際、思わず「また帰ってきます」と伝えると、「またいつでも帰っておいで」と温かい言葉が返ってきました。

初めて訪れたはずなのに、まるで実家に帰ってきたような安心感。
おいしいコーヒーや手作りスイーツはもちろん、そんな吉瀬さん夫婦の人柄も、このお店の大きな魅力です。

古賀市の山あいに佇む『小野珈琲焙煎所』。
日常から少し離れて、ほっとひと息つきたいとき。また帰ってきたくなる、そんな場所です。

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◼️『小野珈琲焙煎所』
住所:福岡県古賀市小山田293-4
営業時間:11:30〜18:00
定休日:月・火曜
駐車場:あり
Instagram:@ono.coffee.roaster
https://www.instagram.com/ono.coffee.roaster/
________________________________________
※情報は2026年10月1日時点の取材・公開情報をもとにしています。営業時間・営業日は変更となる場合があります。最新情報は公式Instagram等でご確認ください。

■ 小野珈琲焙煎所

住所:福岡県古賀市小山田293-4
Instagram:@ono.coffee.roaster

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